上司/部下の“認識のずれ”を防ぐ4つのステップ
部下から「〇〇社の温度感は高く、今週中には契約できそうです」「今週中にはタスクを完了できそうです」という報告されてすっかり安心していたら、期日になって「契約できませんでした」「タスクを完了できませんでした」と報告が──。このように、上司と部下の間で認識がずれてしまった経験はありませんか?
前提として、営業メンバーは会社組織の一員として組織ルールを守り、その中で求められる成果を果たしてチームの成果に貢献することで、成果に見合った評価(達成したらプラス査定、未達ならマイナス査定)を獲得できます。そのためには「評価者は誰か(組織図で明示)」「何を求められているか(人事評価制度で提示)」「いつまでに何をするか(週次会議で進捗確認)」を明確にしなければいけません。
たとえば、「価値を最大化する」「徹底的に××する」のように人事評価制度が曖昧だと、上司と部下の認識はズレやすくなってしまうでしょう。また、進捗管理が曖昧だと「水は低き、人は易きに流れる」と言うように、「お客様が……」「商品が……」「忙しくて……」と、環境を言い訳にして思考停止する人が増えてしまいます。
上司と部下の認識をそろえ、正しく成果を追い求めるためには「評価者(上司)と非評価者(部下)が正しくマネジメントする/されるための環境整備」が必要です。そのポイントを次の4つのステップにまとめました。各項目の詳細は次ページから解説します。
環境整備のステップ
- 評価項目を設定:KGI(重要目標達成指標)を正しく設定する
- 管理項目を設定:KPI(重要業績評価指標)を正しく設定する
- 進捗会議を設定:進捗会議の運営ルールを正しく設定する
- 管理方法を教育:上司と部下の会議方法を正しく教育する
「責任と権限のバランス」に注意! 週に1回は見直しを
環境整備の最初のステップとして、評価項目を設定してください。責任の大きさと評価は比例します。そのため組織の長であるマネージャー層は組織の売上/利益などの大きな結果(KGI寄り)で、メンバー層は、ひとりあたりの売上/習熟度など小さな結果(KPI寄り)で評価します。
また、役割を果たすため、責任と権限はイコールで考えましょう。「責任>権限」(権限が不足している状態)だと、「そんなことを言われても、できる訳がない」と言い訳が出やすくなるからです。ただし「責任>権限」という状況は常に起こり得るため、部下には「責任を果たすために必要なら、いつでも権限を要求して良い」という意識づけと、進捗会議(おすすめは週に1回)で権限の見直し・提案を行うように指導しましょう。