競合は多様化しても、変わらずに顧客の成長を目指す
――まずは関さんのキャリアについて伺えますか。
新卒で人材派遣などを行う会社に入社し、現場の営業から支店長までを経験しました。当時は、たくさん経験を積んで「早く一人前になりたい!」と思っていたので、年齢関係なく活躍できる環境が魅力的で入社しました。ヒト・モノ・カネが回っていくさまを学ぶことができ、楽しかったのですが、人ありきの仕事に携わるなかで、仕事に満足できていない若手を見ることもありました。働き方やキャリアステップを含めて、「仕事を正しく伝える」ということの重要性を感じるようになり、広告にも関心があったので2003年にリクルートに入社しました。
入社してからは一貫して営業畑です。現場からスタートして、組織マネジメント、販売パートナーへの渉外業務なども経験しました。現在は採用広告の提案に加えて、顧客の人材課題に向き合って、商品開発もするようなコンサルタントの役割を担っています。営業8割、企画2割という感じのキャリアですね。
――さまざまな役割を経験され、現場のプロフェッショナルとして働くことを選ばれたのですね。リクルートジョブズが提供するのはアルバイトの「採用広告」の領域がメインだと認識していますが、日々向き合う顧客はどのような課題を抱えてますか?
どこも人手不足ですね。人口は減っているので、採用広告を出すだけでは難しいというパターンも増えてきています。そこで、主婦や外国人労働者、シニアの方々などいままでと違った人材層を活かすことにチャレンジして、次はテクノロジーだというタイミングです。
つまり法人格としての課題は「採用メディアによる応募・採用」に限ったものではなくて事業を継続させるための「労働力の確保」へ変化してきたのです。当然、顧客からの相談の幅も広がってきています。弊社としてもコンペチタ―が、採用広告の企業だけではなくなってきたということを意味しています。
訪問先で、「従業員定着のためにHR Techのツールを選んで」と言われることもありますし、その相談にのることももちろん無駄はないと思っています。顧客の課題である「労働力をどう確保するか」にコミットしたいと思ったとき、我々のメディアはあくまで手段のひとつでしかありません。働いている人がどうすれば活き活きとするか、お客様の事業がどう成長していくかということに関心があるんです。
もちろん、お客様が成功し事業が拡大すれば、採用の相談をもらえる機会が増えていくという好循環もあります。自分がより面白いこと、影響力のあることにチャレンジするためにもお客様に成功してもらいたい。そうなると、打席に立つ回数を増やさないといけないんですよね。ホームランバッターになるためには信頼を積み重ねていかないといけないので、無駄はないんです。