「すごい人脈」をつくる人の特徴とは?
知り合いに、「この方の人脈はすごい」と思うトップ営業スタッフ・Nさんがいる。幅広い分野の人を知っており、私が相談するたびに「その分野でしたら知っている人がいますので」とすぐに紹介してくれる。ご紹介いただいた人たちも優れた能力を持っている。豊富な人脈の一端を垣間見ただけで「だから営業としてうまくいくのだな」と思える。
「すごい人脈を持っている」と聞くと、“パーティーでの立ち振る舞いが上手い”というようなイメージを持つかもしれない。コミュニケーション能力抜群で、パーティーでいちばん目立ち、次々に人脈をつくっていく──私もそう思っていた。
しかし、実際は違った。Nさんはかなりの人見知りである。立食パーティーで見かけることあったが、お世辞にもうまく立ち振る舞っているように見えない。10分もしないうちに壁の華になり、ひとりで寂しそうにしている姿もよく見かけた。私も同じタイプだったため、よく話をしたもの。ただ、Nさんは“ひとりの方に深く入る”といった特徴がある。たまたま名刺交換した人と長く話し込む。時には1時間近く話していることもあった。
普通こういった会では、どれだけ名刺を集められるかが勝負だと考える人が多い。名刺交換して2~3分も話せば「では、何かありましたら」と言って次の名刺交換相手を探すもの。話をしながら「次はどの人にしようかな」と目線が泳いでいる人と出会うこともある。こういった対応をされると寂しく、こんなコミュニケーションからは良い人脈が生まれることはない。せいぜい1、2回のメールのやりとりで終わってしまう。
Nさんは話をする人数は少ないものの、「この人だ」と決めたら、長時間じっくりと話をする。ターゲットを決めたらほかの人には見向きもしない。狭く深く付き合っていき、強固な人間関係を築いていたのだ。そのこと自体は知っていたものの、どうやって長時間話をしているのかは、わからなかった。そんなとき、Nさんからランチに誘われた。