そもそも不動産営業とは
私は新卒でオプト(現デジタルホールディングス)に入社し、IT/マーケティング商材のコンサルティング営業に5年間従事してきました。その後、不動産テック企業のHousmartに入社し、不動産仲介会社向けのSaaSのマーケティング、営業に従事しています。
紹介したキャリアのとおり、私に不動産営業経験はありません(厳密には、売買仲介営業を1年間だけ)。
ただし、この4年間で累計1,000人以上の不動産の営業担当者と会話し、横断的に不動産業界に携わってきました。主体者ではなく、あえて第三者の視点から、この特殊な業界の良し悪し、行く末などをまとめていきたいと思います。第1回は不動産営業現場の「今」を紹介していきます。
まず、一般的に馴染みがないため、かんたんに業界構造だけ説明します。ひと言でいうと「ブローカービジネス」です。物件の取引を仲介し、手数料をもらうビジネスモデルとなっています。業界標準は次のようになっています。
手数料の業界標準
- 売買:物件価格の3%+6万円+税
- 賃貸:月額賃料の1ヵ月分+税
この手数料の平均2~30%が、歩合として営業担当者の給与に追加反映されていきます。
売買の歩合反映の例
売買では1件の手数料平均が80~100万円なので月2本の契約を決め続ければ、年収1,000万円は確定。
よって、成果を上げれば世間一般の平均年収と比較しても稼げる仕事です。ただこの業界は、ビジネスモデルや業界構造が特殊で、さまざまな要素が絡み合っているため、「成果を上げること」は並大抵の話ではありません。