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1,000名以上の不動産営業担当者と向き合って見えた 売買営業の難易度の高さとIT化への課題

「不動産営業」と聞くと、何を思い浮かべるだろう?「口八丁手八丁」「終わりなきクロージング」「キツいノルマと歩合制」……。ヒット漫画『正直不動産』(小学館)でも、揶揄される特徴的な営業スタイルだ。しかしこの2~30年、長らく営業スタイルも大きく変わらず、アナログ慣習が根づいていたこの業界に、近年珍しい変化がある。本連載では、不動産業界の営業現場で起こっているリアルな変化を紹介していく。不動産業界関係者はもちろん、非IT業界に向けてSaaSを展開する企業の営業組織の参考にもなればと思う。第1回は不動産業界の営業とはどのようなものか、その難易度と現状について述べていく。

そもそも不動産営業とは 

 私は新卒でオプト(現デジタルホールディングス)に入社し、IT/マーケティング商材のコンサルティング営業に5年間従事してきました。その後、不動産テック企業のHousmartに入社し、不動産仲介会社向けのSaaSのマーケティング、営業に従事しています。

 紹介したキャリアのとおり、私に不動産営業経験はありません(厳密には、売買仲介営業を1年間だけ)。

 ただし、この4年間で累計1,000人以上の不動産の営業担当者と会話し、横断的に不動産業界に携わってきました。主体者ではなく、あえて第三者の視点から、この特殊な業界の良し悪し、行く末などをまとめていきたいと思います。第1回は不動産営業現場の「今」を紹介していきます。

 まず、一般的に馴染みがないため、かんたんに業界構造だけ説明します。ひと言でいうと「ブローカービジネス」です。物件の取引を仲介し、手数料をもらうビジネスモデルとなっています。業界標準は次のようになっています。

手数料の業界標準

  • 売買:物件価格の3%+6万円+税
  • 賃貸:月額賃料の1ヵ月分+税

 この手数料の平均2~30%が、歩合として営業担当者の給与に追加反映されていきます。

売買の歩合反映の例

 売買では1件の手数料平均が80~100万円なので月2本の契約を決め続ければ、年収1,000万円は確定。

 よって、成果を上げれば世間一般の平均年収と比較しても稼げる仕事です。ただこの業界は、ビジネスモデルや業界構造が特殊で、さまざまな要素が絡み合っているため、「成果を上げること」は並大抵の話ではありません。

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