アイティクラウドは、バーチャレクス・コンサルティングと合同で実施したカスタマーサクセスに関する実態調査結果について第2弾の結果発表を行った。
前回の調査報告では、カスタマーサクセスの認知度が13.7%と低いことが明らかになったが、今回はカスタマーサクセスに取り組む予定がある、もしくは必要性を感じている1,000人をふたつのグループに分け、それぞれの持つ課題感や、実際の取り組み状況を調査した。
まず、「カスタマーサクセスに取り組む部署、または担当者が居ないが、今後取り組む予定」と回答するグループ①(333人)を対象に、「今後カスタマーサクセスを進めるにあたって取り組んでいる/取り組みつつあること」を聞いたところ、図2の結果が得られた。現状、取り組みが多いものは「顧客リストを作っている」「顧客との接触状況を常に管理している」の順に挙げられており、顧客との関係性をしっかり管理することをカスタマーサクセスの第一歩としている企業が多いようだ。
次に、同対象者にカスタマーサクセスの取り組みを始めるにあたっての不安や課題を尋ねたところ、1位が「人材・組織体制が不十分」で33.3%と最も多く、2位は「やっていることが正解なのかわからない」(22.5%)、3位が「経営層/上層部の理解が得られない」(19.8%)という結果になった(図3)。誰もやったことがない業務を少人数あるいはひとりで始めざるを得ない状況となり、相談相手がおらず不安を感じている人が多いことが予想される。
さらに、その不安や課題を解決するために取り組んでいることを聞いたところ、4分の1以上が「セミナーや勉強会に参加している」(27.6%)、「日本語の書籍やオンラインの記事を読んで情報を収集している」(26.7%)と答えており、積極的に情報を取りに行く姿勢が見られた。
次に、「取り組む部署、または担当者が居ないが、必要性を感じている」と回答したグループ②(333人)に対し、今後取り組みを始めていくことになった場合、不安や課題になりえそうなことは何かと聞いたところ、1位は前述の対象者同様「人材・組織体制が不十分」(32.1%)がいちばん多く、2位は「何から手をつけたらいいのかわからない」(29.1%)、3位が「進め方を相談する人がいない」(21.0%)となった。具体的な取り組みが始まっていない企業でも、身近な有識者や情報が不足していることが、不安となりえそうだと感じているようだ(図5)。
また、同対象者に「カスタマーサクセスの取り組みを今後始めたいと思って取り組んでいること」があるかどうかを聞いたところ、「特に何もしていない」が36.9%と最も多く、実践への第一歩に向けて足踏みしている企業が多いことがわかった。(図6)。
本調査は、インターネットアンケートにて2019年3月20日~2019年3月21日の間、全国の20歳から65歳の有職者(パート・アルバイト、専業主婦・主夫、学生を除く)1,000人を対象に行われた。