働く女性の研究をする「博報堂キャリジョ研」は、2021年6月に20~30代男女に対して「女性のキャリア意識調査」を実施。同調査結果の主なポイントを発表した。
20~30代の女性で「管理職になりたい」は3割、「リーダーになりたい」は4割
まず、「今後、リーダー(自分の下に部下やメンバーがいるポジション)または管理職・マネージャー(自分の下に評価対象の部下がいるポジション)になりたいか」についてたずねた(現時点での立場関係は問わない)。
20~30代の女性の管理職意向度は、「なりたい」「ややなりたい」が合わせて32%。対して、男性は56%と過半数を占める。管理職よりはリーダー意向度は高めであるが、同様の傾向で男性の意向は58%に対して女性の意向は42%となった。
管理職になりたくない理由、女性特有の回答で目立ったのはチームビルディングへの不安
前問で、リーダー/管理職・マネージャー(いずれか、またはは両方共)になりたくないと回答した人に、その理由をたずねた。
20~30代女性は「責任が重くなるのが嫌だから」「仕事よりも趣味やプライベートを大切にしたいから」が4割前後と高く、男女間でスコアの差も大きい。
さらに、男女の差分が大きいものとしては、「目立ったり、人目を引いたりすることになるのが嫌だから」「大きな方針や指針を示すことが苦手だから」「チームを率いることが苦手だから」など、人より前に出て動くことへの抵抗感やチーム運営をしていくことへの不安がうかがえる。
女性は「理想の管理職・リーダー像」が備えるべきと考える項目が男性よりも多い傾向
思い浮かべる理想のリーダー/管理職・マネージャー像についてたずねたところ、「理想の管理職・リーダー像」のイメージは、いずれの項目においても女性のスコアが高いという結果となった。
管理職やリーダーに求めることが多く、反対に自分がなる場合のハードルの高さにもつながると推察される。
TOP3の項目に絞って見ると、ともに「部下やメンバーへの正しい評価」が挙がる。男女の違いとして、女性は「部下やメンバーのモチベーションを上げ、やる気を起こさせることができる」「常に適切な距離感で、部下やメンバーのことを見守ってくれている」など、“部下自身への育成やケア”を意識しているのに対して、男性は「部下やメンバーを信頼し、仕事を任せてくれる」「部下やメンバーひとりひとりの意見と向き合い、まとめ上げることができる」といった“仕事の円滑な遂行”を意識していることがわかった。
女性の「理想の管理職・リーダー像」、“部下への育成やケア”意識した項目が上位に
思い浮かべる理想のリーダー/管理職・マネージャー像についてたずねた。
女性の“管理職やリーダーになりたい”理由には対人関係重視した項目が挙がる 男性は自分の影響力向上が上位に
前問で、リーダー/管理職・マネージャー(いずれか、またはは両方共)になりたいと回答した人に、その理由をたずねた。
管理職・マネージャーになりたい理由は男女ともに「給料が上がる」「達成感を感じる」が高く、約半数を占める。差分で見ると、女性は「部下や周りに頼られる」「社内外のネットワーク広がる」など対人関係や働く環境への意識が高いのに対して、男性は「社会地位が上がる」「自分の意見が通しやすい」が高い結果となった。
調査概要
- 実施時期:2021年6月29日
- 調査方法:インターネットリサーチ(全国)
- 対象者:20〜30代の正社員・総合職の男女
- サンプル数:700人(女性500人に対する比較として男性200人)