パーソル総合研究所は、シニア人材の就業実態や就業意識に関する調査結果を発表した。同調査は、70歳まで就業機会を確保する努力義務が企業に課されたことを受けて、シニア人材の活躍や若手社員への影響に関する定量データを把握し、企業経営・人事に資する提言を行うことを目的に実施された。
定年後の再雇用 「定年前の半分以下」が約半数
定年後再雇用による年収の変化について尋ねると、約9割が「年収が下がっている」と回答し、「定年前とほとんど変わらない」は8%、「定年前より上がった」は2.2%という結果に。定年後再雇用で働いているビジネスパーソンは全体平均で年収が44.3%下がっていることが明らかに。なお、「50%程度下がった」は22.5%、「50%より下がった」は27.6%と、調査対象の再雇用者のうち約半数の年収が半分以下になっていた。
また、再雇用者に職務の変化について聞いたところ、過半数が「ほぼ同様の業務」と回答。「ほぼ同様の業務」という回答者も平均で年収が39.3%下がっていた。
シニア人材の待遇に「不公平」は約3割
20代を対象にシニア人材の待遇について尋ねると、「給料や評価に対して不公平感を抱いている」のは3割という結果に。
シニアの仕事が不透明な企業ほど若手の転職意向が高い
シニア人材の働き方が若手社員に与える影響を見ると、シニア人材がどのような業務を行っているかわからない「仕事の不透明さ」がある職場では、「透明な」職場に比べて転職意向が25.5ポイント高く、シニア人材が「疎外された状況」にある職場では、ない職場に比べて転職意向が26.1ポイント高く、若い年代ほど転職意向が高まる傾向に。