デジタルマーケティングを行うwibは、コロナ禍において企業のテレワーク導入や業務の効率化・クラウド化が加速するなか、実際にどのSaaSがどの程度利用されているか、またSaaS導入における課題は何かを明らかにするため、サーベイを実施。その結果からSaaSの各分野におけるコンテンツ普及率を可視化すべくカオスマップとしてまとめ、発表した。
なお、同サーベイ結果はSaaSが比較的スムーズに導入されている印象のあるIT業界以外にも、業界問わず中小企業500社のデータを集計している。
9割の企業がチャット・グループウェア・オンライン会議SaaSを導入
アンケート結果から、チャット・グループウェア・オンライン会議SaaSについては90%の企業が導入していることが判明した。
チャット・グループウェア・オンライン会議SaaSは優先度高く認識されている、または導入ハードルが低いことがうかがえる。コロナ禍で出社型からテレワークに切り替えるにあたり、必要に迫られてといった側面も大いにあったと推察される。
他方、ほかの分野ではおおむね導入率50%程度で推移しており、アナログな方法での管理が多いことがわかる。
各分野の中でシェアが大きく目立ったのは、チャットツールではTeamsが利用率46%、Slackは17.6%、オンライン会議ではZoomが47.6%、グループウェアではOffice365が利用率57%、G suite利用率は8%だった。全体としてはマイクロソフト関連サービスの利用率の高さがうかがえた。
8割以上の企業がSaaS導入してもうまく使いこなせていない
業務を効率化するために導入したSaaSも、実態は80%以上の企業が導入後「うまく運用ができていない」という結果に。うまく運用ができていない理由としては主に次の理由が挙がっている。
- SaaSの機能が多すぎて使いこなせない
- 社員のITリテラシーが低くて使いこなせない
- 既存システムとの連携・相性が悪くて使いこなせない
特に導入がうまくいっていないSaaSツールとしては、営業サポートツール(Salesforce、Sansanなど)、勤怠・労務管理ツール(ジョブカン、SmartHRなど)、会計ツール(マネーフォワード、楽楽精算)が挙げられ、いずれも機能が多岐に渡り、効率的に運用するにはほかのツールとの連携が必要になってくるものとなる。
これらのことから、企業が独自で各SaaSの機能を理解・導入し、かつほかのツールとの連携を行っていくことは非常に難易度が高く、課題を抱えている企業が多いといえる。
上手に運用するコツは導入時から成功事例を意識すること
一方で、複数サービスをうまく活用している企業の約半数は、導入時よりサービス間の連携を重視していることが明らかに。
また、複数サービスを上手く運用できていると回答した企業内での利用ツールの傾向は全体とは違っており、チャットツールではSlackの比率が高く、営業サポートサービスはスプロケット、グループウェアはG suiteの利用率が高い傾向がみられた。
しかし、複数サービスの連携が上手くいっていると回答している企業においても、運用にあたっての課題として社員のITリテラシーが追い付いてないという実情もみえてきた。
サーベイ概要
- 調査方法:インターネットリサーチ
- 調査時期:2020年6月
- 調査対象:全国の中小企業企業の正社員、経営者層 500名