総合物流サービスを手がけるトヨコンは、MA(マーケティングオートメーション)の立ち上げに伴い、Sansan株式会社が提供する法人向けクラウド名刺管理サービス「Sansan」を導入。
トヨコンは製品開発から包装設計、システム開発、梱包、輸送に至るまで提供している総合物流サービス企業。同社では「営業は足で稼ぐ」という考えのもと、1日10件以上を訪問するような飛び込み営業が営業活動の中心にあった。しかし、事前情報がないため適切なターゲットにリーチすることが難しく、営業活動を可視化できる手段がないなどの課題を抱えていた。
課題を解決する方法を模索するなかでMAの活用に着目。そこで、メールアドレスを収集して正確に管理するための手段として、名刺管理の重要性を再認識し、Sansanの導入へと至った。Sansanを導入し、MA活用の土台を整えたものの、50年以上も足で稼ぐ営業活動が当たり前だった社内では、デジタルの活用に消極的な意見もあり、そもそも理解ができないという社員もいたという。
まずは「Sansanに名刺を登録すること」の徹底を推進することで、少しずつ名刺データが蓄積されるようになり、1ヵ月でその件数は5,000件を超えた。蓄積されたデータを活用し、メールマガジンの配信を開始し、有力な見込み客に対してはLP(ランディングページ)に誘導する内容を届けるなど、マーケティング施策も徐々に実施へ。さらに、ホームページからの問い合わせに対する対応のスピードアップも強化するために、それまでメールで実施していた問い合わせ内容の社内共有を、Sansanの「メッセージ」機能で行うように。営業担当者は外出先であってもスマートフォンのアプリから内容を確認でき、早急なレスポンスが可能となった。
Sansan導入当初、営業部全体の売り上げの2%をMA貢献で創出することを目標と設定したが、実際の導入後はその目標と比較して300%の達成率に。MAにおけるSansanの活用で問い合わせ件数も15倍に増え、そこからの受注率は20%と高い数値となっている。問い合わせがきっかけで、2,000万円の案件が創出されることもあったという。
トヨコンでは、デジタルの活用に消極的だった社内の意識も変わり、多くの社員が効果を実感していることからも、今後も名刺データを蓄積し、より積極的なマーケティング施策に活用していく予定。