営業マンは決められないことよりも案件の少なさに悩んでいる
営業向けのセミナーって、見込み客へのアプローチは教えてくれても、見込み客の作り方は教えてくれないですよね? ちょっと前から流行っているインサイドセールスも、既存のリストに対してのアプローチなのでリストがないと何ともならないですし、リストの質によっても大きく成果が変わります。リストさえあれば……と日頃から悩んでいる人も多いはず。
では、質の良いリスト(訪問先・引き合い)ってどうすれば手に入るのでしょうか? どこかから買うこともできないですし、誰かからもらうこともできませんし、展示会で集めただけの名刺では受注までが遠いですし、ほっといても増えないので自分で作っていくしかないです。
今回取り上げる『誰でも売れる「プロセス思考」営業術』(藤岡晋/日本実業出版社)はこの質の良いリストの作り方と、目標達成のための行動計画について説明された書籍です。そして、リストと行動計画ができていれば、話術を磨かなくても熱意で営業しなくても受注ができるようになっているのです。
1,2章は営業の心構え
昔から言われている営業の常識的なことが実は違いますよ、ということが1,2章には書かれています。本題に入る前のウォーミングアップだと思って読んでみましょう。いくつか紹介します。
「手ぶらで帰ってくるな!必ずお客さんから宿題をもらってこい!」
→お客さんから「宿題」をもらう場合は、原則的には解決した場合に購入してもらえるかを確認し、約束する必要があります。
「ヒアリングは訪問した時でいいんじゃないの?」
→(訪問の質を高めるために)ヒアリングするタイミングは「アポイントを取る前」であり電話で行うことが重要です。
「(お客さんと仲良くなるために)差し入れを持っていったり、雑談したり、時には接待もやりますよ」
→このような「接客」の考え方をしていては、本来の課題である「取引者数を増やすことで売上アップを図ること」は達成できません。
「マーケティング部門が案件を取ってこない」
→「引き合いがない」⇒「売上が伸びない」⇒「マーケティング担当の責任」という言い訳が成り立ってしまうことが、非常におそろしい話です。
皆さんここに挙げたようなことは言っていないですよね? ここで引っかかる人は、この先を読んでも理解しづらいと思いますので、早急にマインドセットを切り替える必要があります。