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SalesZine Day(セールスジン・デイ)とは、テクノロジーで営業組織を支援するウェブマガジン「SalesZine」が主催するイベントです。 丸1日を通してSales Techのトレンドや最新事例を効率的に短時間で網羅する機会としていただければ幸いです。

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営業の仕事は「売る」ことなのか? 「Buyer Enablment」をめぐる冒険

2024年7月12日(金)13:00~18:20

常に高い売上目標を達成し続けなければいけない営業組織。先行きの見通しが立たない時代においても成果を挙げるためには、過去の経験にとらわれず、柔軟に顧客や時代に合わせて変化し続けなければなりません。変化に必要なのは、継続的な学びであり、新たなテクノロジーや新たな営業の仕組みは営業組織の変化を助け、支えてくれるものであるはずです。SalesZine編集部が企画する講座を集めた「SalesZine Academy(セールスジン アカデミー)」は、新しい営業組織をつくり、けん引する人材を育てるお手伝いをします。

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営業改革事例

営業の情報をタイムリーに共有! 成約率11%UPを実現したタカラスタンダードのSFA活用×営業改革

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 大企業におけるSFA定着プロジェクトは、成功すれば大きなインパクトがあるが、そこに至るまでの道のりは決して平坦ではない。2023年8月に開催された第11回 Salesforce全国活用チャンピオン大会(以下、SFUG CUP 2023)では、ファイナリストとして選出された各社がSFAの活用や推し進めた自社の改革についてプレゼンを行った。SalesZineではSFUG CUP 2023 大企業部門で優勝を果たしたタカラスタンダード社の営業企画部門にインタビューを実施。SFA導入から定着までを先導してきた新實さん、現地定着リーダーとして自らSalesforceを活用しながら営業活動変革を行い、現在は営業企画部門に異動となった森さんに、大企業ならではの営業課題から定着のコツ、得られた成果を聞いた。

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ボトムアップのSFA導入 “タカラの営業”の変化を具体化

──あらためてSFUG CUP 2023 大企業部門での優勝おめでとうございます。まずはタカラスタンダードさんが抱えていた営業課題について教えてください。

新實 ひと言で言うと、「売れる営業」を育てるためのノウハウがなく、「このままだとタカラの営業が大きく育っていかない」と危機感を抱いていました。人口減少の中で業界自体もシュリンクしていきますし、このままの営業では「勝てない」。そして、若手営業には昔ながらの営業スタイルは響きません。「昔は『不夜城』だったんだよ」という言葉がかつての飲み会では笑い話になりましたが、いまはそうもいかない。“昭和の営業”で成果を出してきた管理者が、いまのやり方で若手を成長させるためにツールと仕組みが必要だったんです。「管理職を変える」というのも一連の改革の大きなテーマでした。

タカラスタンダード株式会社 営業本部SE担当 係長 兼営業本部 営業企画部 係長 新實小百合さん
2017年タカラスタンダード入社。サイト運用担当を経て、2018年より営業部門におけるSalesforce導入プロジェクトに参加。中心メンバーとして構築・定着活動を牽引。

 営業向けの勉強会なども存在していましたが、「勘と経験がもたらした成功体験」や「その担当者だからこそできた成功体験」の共有が多かったですね。成果が出ているときはそれで良いのですが、“売れない”ときにデータをもとに課題を把握し、フィードバックできる状態になかったのは課題だったと言えます。

タカラスタンダード株式会社 営業本部 営業企画部 販売特販グループ 課長代理 森悠さん
2012年タカラスタンダード入社。沖縄においてルート営業を経験。在任中には一時、台湾市場への営業も兼務。2023年9月より本社営業企画部に配属となり、Salesforce定着活動に参加。

──SFUG CUP 2023のプレゼンテーションでは、新實さんも含めて「SFAの導入関して半信半疑」な方が多かったというお話が印象的でした。SFAの必要性を感じられた背景について掘り下げてお聞きしたいです。

新實 当初は我々の営業力を強化するためにコンサルからSFAの活用を進められたんです。ただ、この時点でまず半信半疑だったんですね(笑)。というのも、タカラスタンダードの営業が地道に毎日積み重ねている「営業」の仕事と、Sales Techを活用して行う「営業」のイメージが大きく乖離していて。

 絵に描いた餅にしてしまわないように、営業出身のメンバーもいる営業企画部の中で「SFAを活用してタカラの営業はどう変わるのか」を具体的に考え、60枚くらいのスライドをつくりました。たとえば「訪問件数が具体的に可視化されることで、上司は『最近訪問できていないのでは?』という粒度ではなく、『今週の訪問件数は平均値より少なかったので、来週は挽回すべく先行して訪問予定を立てよう』と具体的な指示を出せるようになる」などです。

 そうやって1つひとつの変化を書き出してみて、これらを実現するSFAとして柔軟性や拡張性があり、3rdパーティのアプリケーションも充実しているSalesforceが適切だろうと腹落ちしたというような感じです。

──必要に迫られているからとりあえず導入しよう、ではなくギャップを埋めたうえで導入に進んでいったんですね。

新實 当社のSFA導入はトップダウンではなかったんですよね。我々の部門のほうで副社長、社長、役員(取締役会)と複数のプレゼン機会を経て、導入に進んでいきました。かなりボトムアップです。

──導入当時、森さんはSFAの現地定着リーダーだったと思うのですが、率直にどう感じられましたか。

 現場としては「反発」というよりも、「疑問」のほうが大きかったというのが正直なところです。社内には基幹のシステムもありますし、何がどう変わるのか、今のままで十分成り立っているはずなのに……と。

新實 まさにそこは伝え方が難しい部分でした。現在も基幹システムはあるのですが、基本的には見積もりや発注を管理するもので、営業成果を挙げるめのSFA機能は存在していなかったんです。両方必要なものなので、実際には基幹システムの一部機能をSFAのシステムを移管したのですが、現場からは「システムのリプレイスかな?」ととらえられてしまった部分もあったんですよね。いままでとはまったく違うことにチャレンジすることを当初からもっと上手く伝えられたのではないかなというのは反省点です。

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この記事の著者

SalesZine編集部 宮田華江(セールスジンヘンシュウブ ミヤタハナエ)

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