「ストック情報」と「フロー情報」とは
新規顧客の獲得や商談、契約、サポートなど、あらゆる営業シーンに不可欠な「情報」ですが、適切に共有しなければ活用できず宝の持ち腐れとなります。そこで、「どのように共有すれば良いのか」を理解するために、まずは「情報」を分解しましょう。
ビジネスで管理すべき「情報」は大きくふたつに分けられます。
1.ストック情報
あとから何度も活用する「蓄積される情報」です。アクセスがかんたんな場所で管理します。
2.フロー情報
その場限りの共有となる「流れる情報」です。対面に近いスピーディなやりとりを指します。
このように、情報には【蓄積される-流れる】と正反対の性質があるため、ひとくくりにして扱ってしまうと適切な情報共有ができません。つまり、それぞれの性質に合った方法を取り入れる必要があるのです。
一方、実はストック情報とフロー情報はまったくの別物ではなく、両者は依存関係にあります。たとえば、日々やりとり(フロー)をしていると、あとから確認したい情報(ストック)が生まれます。そして、保存した情報(ストック)を基点に、さらにやりとり(フロー)が広がっていくのです。
つまり、ストック情報とフロー情報に優劣はなく、ビジネスではいずれも適切に共有すべき大切な情報だと言えます。
営業チームが「ストック」するべき情報とは?
もちろん、営業チームも「一時的な連絡を中心としたフロー情報」と「あとから確認したい連絡を中心としたストック情報」で溢れかえっています。たとえば、それぞれ次のような代表的な例が挙げられます。
<ストック情報>
-
顧客情報
- 商談の記録や提案資料
- 問い合わせ対応の記録
- 電話口での発言内容、フォーム・メールの送信内容
-
マニュアル
- トークスクリプト
- 反論処理集
-
営業部ミーティング議事録
- KPI・営業進捗・目標達成
- 施策の改善案
<フロー情報>
-
商談に関する細かな連絡
- 「○時に○○に集合をお願いいたします」
- 「明後日の商談にご同席いただけないでしょうか」
-
即時的なやりとり
- 「受注おめでとうございます!」
- 「資料を送付してください」
-
案件を前に進めるディスカッション
- 一時的な顧客対応の確認
- 失注した際の相談
上記のような日常的にやりとりされる情報をもとに、営業チームでは顧客獲得に向けたアクションを起こしています。
つまり、「信頼や利益に直結するストック情報」と「チームの円滑な連携に繋がるフロー情報」のいずれかが欠けても意味がなく、両者の特性を理解し活用することが利益を高めるために必要なのです。
たとえば、フロー情報には円滑なやりとりを想定したメールやチャットツールが活用されますが、情報が埋もれたり流れたりして、あとから振り返れずに困った経験をした方も多いのではないでしょうか。
そのため、ストック情報であるマニュアルや顧客情報、議事録をメールやチャットツールで共有すると、次々と情報が流れて(埋もれて)アクセスするのにムダな手間がかかり、最悪の場合、見つからないこともあるのです。つまり、営業における「あとから必要になる情報」や「何度も見返す情報」は別の方法で共有する必要があります。