キャリアアップのきっかけは「MAツール」
現在SATORIの営業企画グループでグループ長を務めております、徳井ちひろと申します。
新卒入社した広告代理店では展示会やイベントの企画運営、インサイドセールス部隊の立ち上げ、SFA・MAの活用など、マーケティング業務全般を担当していました。「インハウスマーケター時代に出会ったMAツール『SATORI』が好きすぎて」転職をし、現職に至ります。
本セッションでお話しするのは、SATORI入社以前のお話です。私のキャリアアップのきっかけとなったマーケティング部署立ち上げの経緯、そして私が転職を決意する大きなきっかけとなったMAツール活用の事例をお話しします。
営業社員がマーケティング部署を立ち上げる
私が入社当時配属されたのは、SEOやコンテンツマーケティングなどを扱うウェブマーケティングサービスの新規営業部門でした。当時はSEO業界が変革期で、「コンテンツマーケティング」という言葉の認知度も決して高くありませんでした。ゆえに、社内では新しいサービスを売り込むためのノウハウが乏しく、新入社員であった私は自分なりのトライアンドエラーを繰り返してはがむしゃらに営業活動に取り組む日々を過ごしていました。
そんな試行錯誤の甲斐あって、入社2年めを迎えるころにはトップセールスになれるほどの高い成果を挙げられたのですが、肝心の部署としての売上は目標達成ができない状態でした。そうした状況を打開するべく、私が取り組んだ施策こそが「マーケティング部署の立ち上げ」でした。立ち上げフェーズを含めてたったひとりでスタートしたマーケティング部門でしたが、最終的には8名の組織に成長し、私自身も若くして課長ポジションに挑戦するなど、キャリアを進めることができました。
とはいえ、立ち上げにあたってはたくさんの課題が立ちはだかり、そのたびにとことん考え抜いたのも事実です。本セッションでは、この点をかみ砕いてご説明します。
「とりあえず架電してみる」テレアポの非効率さ
新人時代に印象に残っているのは、いつどこで交換したのかもわからない「名刺の束」と共に、当時の上司から「毎月25件のテレアポを取ること」を目標として言い渡されたこと。この「25件」という目標値ですが、実は「1日1件くらいはアポを取れるだろう」という感覚的な見込みで設定された数字であったことも印象的でした。過去にお客様とどのようなやりとりがあったのかが一切わからなかったため、やむを得ず、当時はがむしゃらに電話営業に取り組んでいました。
案の定、テレアポを開始するとサービスにまったく関心がないお客様も多く、毎日60~100件の架電を行うもなかなかアポ獲得に結び付きませんでした。「活動履歴が残されていないため、とりあえず片っ端から架電してみる」テレアポは非常に効率が悪いこと、そして営業とお客様双方のデメリットの大きさを痛感しました。
このほかにも、営業リストの属人化により会社として情報資産が蓄積されていなかったり、失注リストが放置されていたりするなどさまざまな課題がありました。「このままではいけない」と危機感があり、はじめは営業部門と兼業する形でマーケティング部門を立ち上げるに至りました。
複合的な営業課題にMAツールが効いた理由
課題は山積みでしたが、1つひとつと向き合って解決していきました。具体的には、まずExcelで「自分なりの顧客管理」からスタートしていったことを覚えています。失注の際には、顧客情報を「なぜ買ってもらえなかったのか」の理由――「顧客が自分のマーケティング課題を解決認識していない」「予算が降りない」「タイミングが悪い」などと共に記録していきました。
次に着手したのは「適切なタイミングでの最適なフォロー」です。一例ですが、顧客がサイトリニューアルをするという情報を得たら、「一緒にSEOをやりませんか?」と電話でお声掛けをしてみたり、決算期の直前には「余り予算」狙いで連絡をしてみたりするなど、対顧客のフォローに漏れがないように丁寧に取り組んでいきました。
チームとしての対策にはツールが必要だった
もちろん、マネジメントの面でも紆余曲折がありました。自分の経験に基づいたノウハウを新人に伝えてもそうかんたんには受注に結び付かず、取り組みを始めた当初はかなり苦戦しました。そんな中、日々のトライアンドエラーの過程で、新人育成以前の「根本的な原因」を突き詰める必要性に気づいたことがターニングポイントだったように思います。
そこから「成果が上がらない原因」を分析したところ、さまざまな課題が明らかになります。ウェブサイトへの集客がうまくいっていない、休眠リストが大量に存在している、顧客情報がバラバラに管理されている、情報資産が一向に蓄積されない――これらの要素が複合的に絡まり合い、商談が難航していたのです。
こうして原因は突き止められたものの、当時の私は営業3年め。成果こそ上げていましたが、社会人年数の浅さゆえにまだまだ経験に乏しく、何から着手するべきかを悩んでいた矢先に上司から勧められたのが「MAツール」でした。
MAツールという「武器」
MAツールとは、見込み顧客のデータである「リード」を取り込むことで、対顧客とのオンラインコミュニケーションを円滑化し、営業効率を高めるツールです。具体的には、「顧客がウェブサイトに訪問している」「メルマガから資料をダウンロードした」などのオンライン上の行動が丸裸になるほか、この行動に合わせた最適なアプローチができるようになるのです。
「データを一元管理できるだけではなく、新規商談の創出や営業効率化も実現できるのであれば、自分たちが抱えていた課題はMAの活用で解決できるのではないか」――そう思い立った私はMAツールの情報収集を行い、最終的には新規リードの獲得から活用できるという大きな強みを持った「SATORI」を導入するに至りました。
MAツールという「武器」を手に入れた私は、たったひとりで営業とマーケティングの両方に取り組んでいくのですが、「SATORI」の活用を通じて次の3つの成果を挙げることができました。
新規リード10倍、商談獲得率15倍 得られた成果
1. 新規リード数10倍
まず、ウェブサイトに訪れた人を「問い合わせページを見たけれど問い合わせをしなかった人」「1ヵ月に2回以上、ウェブサイトに訪問した人」「事例ページを何度も見ている人」などのカテゴリーでグルーピングし、それぞれに適したアプローチに取り組んでいきました。具体的には、「問い合わせページを訪問したけれど、問い合わせはしなかった人」にはサービス資料のダウンロードを促し、「事例ページを何度も見ている人」にはサイトに掲載されていない非公開事例のダウンロードを勧めるなどです。
2. 商談獲得率15倍
これは、テレアポの効率化を通じて達成しました。まず営業部門が所有していた名刺をすべてデータ化し、「タグ」と呼ばれるラベリング機能を用いて「4月の展示会で名刺交換をした人」「セミナー来場者」など、属性データを含め徹底的に記録しました。
また、顧客のオンライン上の行動履歴に基づいた営業活動への転換も行っていきました。たとえば、「事例ページを何度も見ている顧客」や、「メルマガから資料をダウンロードした顧客」に、優先的に架電を行うなどです。興味関心を事前に理解した上でお話ができるようになったことでお客様のリアクションにも変化が現れたことはたいへんうれしく、やりがいを感じました。
3. 休眠顧客の減少・受注と売上の増加
顧客のオンライン行動からサービスに対する興味関心の有無が判別できるようになったことで、顧客に合わせたオンラインコミュニケーションが取れるようになったことも大きなメリットでした。「メルマガを開封してくれた人」には追加のメルマガを送信し、「資料をダウンロードした人」には優先的に電話フォローを行うなど、適切なタイミングでのアプローチが可能になったことで営業活動の質が上がりました。
顧客のアクションを通知してくれる機能にも助けられることも多かったです。過去に失注した顧客がウェブサイトを訪問してくれたタイミングで、即座に架電を行った際、「ちょうど今検討していました」と良好なリアクションをいただき、受注につながった経験もあります。継続的な顧客フォローを通して些細な変化に気づくことの重要性を実感させられた出来事です。こうした施策を実現してくれるだけでなく、施策そのものを自動化できる点もMAの強みであるように感じます。
チームへの貢献がキャリアアップへつながる
ここまで私がキャリアアップに至るきっかけになった取り組みを解説してきましたが、強調したいのは、当時の私が「マーケティング初心者」であったことです。マーケティングの「マ」の字もわからないような営業担当であっても、マーケティングを通じて営業活動の成果を高める経験を積むことができました。マーケティングの専任担当が不在の環境で働いている方もいらっしゃるかと思いますが、MAツールの力を借りながらチームの営業成果を高め、自身のキャリアアップを目指してみてはいかがでしょうか。