時間に遅れても許される人をモデリングしないほうが良い理由
世の中には遅刻をしても「すみません、遅れちゃって」で許される人がいる。それでいてきっちり結果を出している。そのような人を見ると、「実力さえあれば時間を守らなくてもいいのかな」と勘違いすることもあるだろう。
結論から言わせていただくが、ズバリそれは一握りの才能がある人だけに許されていることなのだ。決してモデリングの対象にしないほうが良い。
「うちのトップ営業マンはお客様とのアポイントにいつも遅れていますよ」と反論したくなる人もいるかもしれない。トップ営業マンの中には遅刻をブランディングの一部だと考えている人もいるからだ。
たとえば、私の知り合いのAさんは「わざと遅刻して忙しさを演出する」という。Aさんは時間についてこんな話をしてくれた。
Aさん 飲み会にはできるだけ遅れて参加するようにしています。
私 できるだけ遅れて、ですか?
Aさん ええ、そのほうが“忙しい感じ”を演出できるんです。これもブランディングのひとつですね
私には共感できない考えかただが、それでもAさんは結果を出している。人それぞれやりかたが違って当然なので、話を聞きながらも「それでうまくいっているなら良いのだろう」と思っていた。それからしばらくしてのこと。別の知人Bさんにお会いした。
BさんはAさんについて「Aさんはいつも約束に遅刻してくるんです。それがネックになってどうも仕事をお願いする気になれないんですよ」と言っていた。
仕事と関係ない人からは「あの人は仕事がうまく行っていて忙しそうな人だ」と思われているかもしれない。しかし、肝心の仕事を依頼しようとしている人から「いつも遅れてくるから信用できないだよなぁ」と思われたのでは意味がない。私が知っているだけでもAさんは遅刻でだいぶ損をしていることになる。