求人サイト「Indeed(インディード)」の日本法人であるIndeed Japanは、20~59歳の正社員で、直近5年以内に転職活動経験のある男女計1万5,014名を対象に、「管理職への転職に関する調査」を実施した。さらに、そのうち1,005名を対象に追加調査を実施し、管理職への転職者と非管理職への転職者の比較を行った。
【調査概要】
- 調査主体:Indeed Japan
- 調査方法:インターネット調査
- 調査期間:2024年2月21~26日
- 調査対象:現在就業中の20~59歳で、現在正社員として勤務しており、直近5年以内に転職活動(応募)を行った男女計15,014名。そのうち、男女1,005名を対象に追加調査(本調査)を実施。追加調査(本調査)対象者の内訳は次の通り
1.管理職求人に応募し、オファーが出て管理職ポジションに転職した人(531名)
2.管理職求人に応募し、オファーは出たが管理職として転職しなかった人(146名)
3.管理職求人に応募したが、管理職ポジションのオファーが出なかった人(93名)
4.非管理職ポジションにのみ応募した人(235名)の合計1,005名を対象に調査を実施した
補正:「令和4年就業構造基本調査」を元に、正社員の性年代構成比にあわせて補正
(追加調査(本調査)は本補正を行っていない)
※構成比は小数第2位以下を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合や、少数第1位までの計算とは数値が異なる場合がある
管理職への転職実態
- 管理職への応募者・転職者は、転職者全体の1割未満(応募者9.6%、転職者7.5%)
直近5年以内に転職活動を行った(求人に応募した)人(1万5,014名)に、転職活動時にどのようなポジション・職位に応募したかを尋ねたところ、管理職(係長以上)に応募したと回答した人は、全体の9.6%だった。
また、最終的に入社したポジション・職位を尋ねた結果、管理職(係長以上)でオファーを得て、実際に管理職ポジションとして転職したと回答した人は全体の7.5%(管理職への応募者全体の78.2%に相当)だった。
転職者全体における、管理職への転職者の傾向
管理職(係長以上)へ転職した人(全体の7.5%、1,131名)の傾向を把握するために属性を明らかにした。
- 転職前のポジション:非管理職15.9%、管理職83.8%
管理職に転職した人の転職する前のポジション・職位を尋ねたところ、転職前は非管理職だった人が15.9%、転職前も管理職だった人は83.8%という結果だった。
- 転職前の業界・職種:同業種同職種内で管理職転職67.2%、異業種または異職種への管理職転職32.8%
管理職に転職した人に、転職前後の業種と職種を尋ねた結果、転職前後の業種・職種ともに同じと答えた人が67.2%と、7割近くが同業種同職種で管理職へ転職していることがわかった。
一方、業種も職種も前職とは異なる、異業種・異職種の管理職への転職者は12.5%だった。また、同業種・異職種の転職は6%、異業種・同職種の転職は14.3%で、合わせると32.8%が異業種または異職種からの転職であることがわかった。
管理職へ転職した人の特徴(非管理職転職者との比較)
調査対象者1万5,014名のうち1,005名を対象に追加調査を行い、そのうち「管理職へ転職した人(531名、以下、管理職転職者)」と「非管理職へ転職した人(344名、以下、 非管理職転職者)」を比較することで、管理職に転職した人の特徴を明らかにした。なお、管理職転職者は、係長相当以上への職位への転職者、非管理職転職者は一般社員、もしくは、主任相当職位への転職者を指す。
- 年収が増加する傾向が高い:管理職転職者の年収は、30代で平均52.8万円、40代で平均60.0万円アップ、非管理職転職者は、30代で平均5.1万円、40代で平均8.2万円アップ
管理職転職者、非管理職転職者それぞれに転職前後の年収を尋ね、年収は年代による差が大きいことから、年代別に比較した。その結果、管理職転職者の転職前の年収は30代で平均606.1万円、現在の勤務先に転職を合意したときの年収は平均659万円という結果になった。転職前後で年収が平均52.8万円アップしている。40代では、転職前の年収は平均671.1万円、転職合意時の年収は平均731.1万円であり、平均60万円のアップだった。30代は平均8.7%、40代は平均8.9%給与がアップ(賃上げ)していることがわかった。
一方、非管理職転職者では、30代で転職前の平均年収が443万円、転職合意時の平均年収は448.1万円で、平均5.1万円アップ(平均1.2%アップ)だった。40代では転職前の平均年収が474万円、転職合意時の平均年収は482.2万円で、平均8.2万円アップ(平均1.7%アップ)だった。管理職転職者の方が、非管理職転職者よりも、転職による給与のアップ率が高い傾向にあることがわかった。
- 転職後の仕事に満足度している割合が高い:仕事の面白さに満足している人、管理職転職者は65.7%、非管理職転職者は51.2%
転職後の満足度について、「総合的な満足度」「給与」「裁量・責任範囲」「仕事のやりがい」「職場の人間関係」「ワークライフバランス」「仕事の面白さ」の7項目で尋ねたところ、すべての項目で管理職転職者は非管理職転職者よりも、満足している人の割合が高い結果になった。
とくに満足している割合に差があったのは、「仕事の面白さ」で、管理職転職者の65.7%が満足している(「満足している」と「やや満足している」の合計)と回答したのに対し、非管理職転職者では51.2%にとどまり、14.6ポイントの差があった。次いで、差が大きかった順に、「給与」(管理職転職者の62.1%、非管理職転職者の48.5%が満足しており、13.6ポイント差)、「仕事のやりがい」(管理職転職者の65.2%、非管理職転職者の54.1%が満足しており、11.1ポイント差)という結果だった。
また、「ワークライフバランス」に関しても、大きな差はなかったものの、管理職転職者の64.8%が満足し、非管理職転職者61.9%を上回る結果となった。なお、管理職転職者に、転職後に勤務時間が増えたかどうかを尋ねたところ、27.1%が「労働時間が増えた」、50.8%は「あまり変わらない」、22%が「労働時間が減った」と回答し、7割以上(72.9%)は労働時間が増加していない、変化なし、もしくは減少していることがわかった。