Box, Inc.は米国カリフォルニア州で現地時間2023年10月11日、企業のコンテンツを全社で安全に整理し、公開する「Box Hubs」を発表した。「Box Hubs」は「Box AI」と強固に連携し、ユーザーがHubsで整理するドキュメントに基づいて、顧客が重要な質問に対して即座に回答を得たり、膨大な量の情報を自動でまとめたり、新しいコンテンツを容易に作成したりすることができる。
Box の共同創業者兼 CEO アーロン・レヴィ(Aaron Levie)氏は次のように述べている。
「企業は膨大な量のコンテンツを整理し、活用する上で、かつてないほどの課題に直面しています。チーム内の認識を合わせる、最新データを渡す、正しい情報を適切なパートナーのもとに届けるといったこれらすべてが組織を運営する上で不可欠です。Box HubsとBox AIにより、Box上のコンテンツをより便利に価値あるものにします。セールス・イネーブルメントや人事ポリシー、ブランド資料や製品開発チームに至るまで、Box Hubsはコンテンツを収集し、管理し、公開する方法を変革します」
IDCによると、組織内で組成されるデータの約90%が非構造化データとされている。このデータには、スプレッドシートやビデオ、文書など、企業内にあふれるすべてのコンテンツが含まれ、組織のもっとも重要な情報が詰まっている。
IDCのコラボレーションアプリケーション担当リサーチバイスプレジデントアナリストのウェイン・カーツマン(Wayne Kurtzman)氏は次のように述べている。
「非構造化データの量が急速に増加する中、コンテンツがサイロ化され、アプリケーションに分散している場合に生じる課題を、企業はもはや見過ごすことはできないでしょう。コンテンツ活用の新しい方法により、セキュリティやコンプライアンス上のリスクを軽減するだけでなく、必要なコンテンツを探したり、新しいインサイトを作成したり、戦略的優位性をもたらします。Box Hubsは、企業がセキュアに情報を管理し、ワークフローを構築する方法を変革させる可能性を秘めています」
Box Hubsでインテリジェントなコンテンツポータルを容易に作成
世界中の組織が生成し共有する情報量が急激に増大する現在、企業にとって、コンテンツを整理し公開するための柔軟でセキュアなツールが重要となる。
Box Hubsにより次のことが可能になる。
- 希望のファイルを選択し、コーディング不要かつ数回のクリックで公開するだけで、ITや管理部門の手助けなく、Hubを数分で作成する
- ヘッダーの画像やアイコン、説明情報、直感的なコンテンツレイアウトを追加して、Hubsをカスタマイズする
- Box上の既存コンテンツを容易にHubに追加することで、すぐに読めるコンテンツプレイリストを整理したり、現状のフォルダから移動やコピーする必要なくコンテンツを公開することができる
- Hub内に公開されたすべてのコンテンツはBoxのエンタープライズ基準のセキュリティ、ガバナンス、コンプライアンスの要件を常に保持するため、コンテンツは対象となるオーディエンスのみが利用可能となる
- 利用可能なすべてのHubsは、新しいBox Hubsのギャラリーからアクセスし、シームレスに必要なコンテンツを見つけ、多数のフォルダ間を行き来する必要がなくなる
- 特定のHub内で充実した検索機能を活用することで、必要な情報を迅速に見つけることができる
- ビルトインされたインサイトをHubsおよびファイルレベルで確認することで、コンテンツのパフォーマンスやオーディエンスのHubへのエンゲージメントの傾向をより深く把握することができる
これらのコア機能に加えて、Box HubsはBox AIと組み合わせることで、ユーザーが強力な生成AIの機能を使って組織内に蓄積された膨大なデータの価値を最大限に引き出すことができる。たとえば、Hub内で整理されたすべてのコンテンツに対して質問を投げかけ、重要な情報を引き出したり、複雑なコンセプトを要約したり、特定のファイルを比較したりすることが可能。さらに、ユーザーはHub内の情報に基づいた新しいコンテンツを生成できるようになり、関連性の高い新しいコンテンツを容易かつシームレスに作成できるようになる。
また、Box Hubsは企業全体でのコンテンツ共有だけでなく、次のようにあらゆる部門やチームのコンテンツを安全に管理、整理、公開するための手軽な方法を提供する。
- 人事部門は会社の手引きや確定拠出年金プラン、最新のダイバーシティ&インクルージョンの資料を掲載したHubを公開することで、すべての従業員が容易に情報を見つけ、会社の方針について最新の情報を得られる
- セールス・イネーブルメント部門は、コーポレートピッチやバイヤーのペルソナ、ディスカバリークエスチョン(見込み顧客へのヒアリング時の質問)を含むHubを作成することで、営業部門がより多くのバイヤーと関わり、収益を伸ばすことができるようになる
- ブランド部門はすぐに使えるテンプレートや画像、ロゴを含むHubを作成し、従業員やエージェンシーと連携を保ちながら、企業全体のブランド認知を強化することができる
- マーケティング部門はマーケティング施策の目的や目標、ポジショニング・ステートメント、競合分析を含むHubを作成することで、ROIを測定しながら複数のチームがシームレスに作業できるようになる
- 製品部門は製品ロードマップ、組織図、四半期ごとの計画プロセスを含むHubを構築し、製品を納期通りに顧客に提供できるようになる
Box AIベータ版提供開始
Boxは2023年5月に、Boxのエンタープライズ基準のセキュリティ、コンプライアンス、プライバシーを保ちながらも、画期的な技術である高度なAIモデルをコンテンツクラウドBoxにネイティブに実装する新機能群「Box AI」を発表した。
Box AIの発表時に公表したふたつの機能は、OpenAIの技術を組み込み、ユーザーがBox Notesでコンテンツを作成したり、特定のドキュメントに対してBoxのプレビュー画面上で質問したりできる機能で、本年11月よりBoxのEnterprise Plusプランのユーザーに対してベータ版の提供を開始する。初期段階では、ユーザーは毎月20クエリーを利用でき、企業レベルではそれに加えて2,000クエリーを利用することができる。今後、より大規模なユースケースのために追加のクエリーを購入できる予定。
価格と提供時期
Box HubsはEnterpriseプラン以上のすべてのBoxユーザーが利用可能な機能。Box AIの機能を備えたBox Hubsは、BoxのEnterprise Plusプランに含まれる。どちらのBox Hubsも2024年にベータ版の提供を予定している。