凸版印刷は、ハーバード大学医学部客員教授の根来秀行氏監修の下、メンタルヘルス不調のリスク判定、および個人向けケアの自動化を実現した「企業向けストレスチェックシステム」を開発した。開発に先立ち、同社の従業員を対象に2020年9月30日(水)より試験運用が実施されている。
これまで、メンタルヘルス不調で休業する従業員の54%は「非高ストレス」と判定され、ストレスチェックによる個別ケアの対象者には該当していなかった。しかし、過去2年間のデータを検証すると、メンタルヘルス不調の新規発症者は、「高ストレス」「コンディション要注意・危険」「環境変化の実感有」のいずれかに100%該当することが確認された。
この内容を踏まえ、「新職業性ストレス簡易調査票(80問)」に、睡眠・運動・食事に関する生活習慣や、環境変化の実感の有無に関する独自の質問項目31問を根来氏監修の下追加し、従来実施していたストレスチェックのアップデートを実施した。また、従来のストレス判定に加えて「コンディション」「環境変化の有無」のふたつの指標を新たに設定し、コンディションの数値化とリスク(3段階)および環境変化の実感有無が自動で判定される。
「高ストレス対象者」に対しては、医師面接推奨や各種相談窓口の案内を行い、「コンディション要注意・危険」の判定者には、根来氏が監修を行った動画コンテンツへ誘導、「環境変化の実感有」の判定者には変化への対処法のアドバイスが提供されるなど、各個人へのケアがシステムを介して自動で提供される。また、ストレスチェックシステムと、判定結果表示機能・メール配信機能を連携させることで、対象者個人が特定されたり、事業主に回答内容や判定結果を知られるリスクを低減している。