できる自分に変わる! 良い「サブリミナル効果」とは
マーケティング関連の書籍を読んだことがある人は知っているかもしれないが、サブリミナル効果で有名なのは映画館でのコカコーラの実験。映画に人が認識できないほどの早さでコーラを飲むシーンを何回も繰り返し差し込んだところ、コーラを購入する人が急増したという。この結果は学説としては認められていないものの、映画やテレビ放送などでは使用を禁止されているほどだ。人は何度も繰り返し受けとる情報から、大きな影響を受ける。
サブリミナル効果は意識より深い部分、つまり潜在意識に刺激を与える。潜在意識は無意識とも呼ばれており、人間の意識の約9割を占めていると言われている。よく「人間の脳は数%しか活用されていない」とも言われるが、それはこの潜在意識の理論からきている。実は、潜在意識は自分で認識できる顕在意識の何倍ものパワーを持っているのだ。なぜなら、結果を出している人たちはこれを上手く活用しているからだ。
サブリミナル効果は外部からの情報からコントロールされるだけのものではなく、自分自身がかける暗示こそもっとも影響力がある。たとえば口癖やセルフトークなど。一度や二度であれば対して影響はないが、何百回、何千回ともなれば影響力は絶大になる。使い方次第で大きな差ができるのだ。
サブリミナル効果を上手く活用している例をご紹介しよう。
知人の営業スタッフのこと。彼は入社1年未満で営業経験が浅い。知識はあやふやなところがあるが、とにかく電話でのアポイント取得率が高かった。今の時代に電話でアポイントを取得するのはかなり難しい。過去に成功体験がある営業スタッフでさえ「今はテレアポのトークを練りに練って挑んでもうまくいかない」と弱音を吐くほど。彼はほかの営業スタッフ苦戦している中、平然と3~4倍のアポイントを獲得していた。
コンサルタントとしてその秘密をぜひ知りたい。「何か特別なトークをしているのでは?」と思い、ヒアリングをしてみた。しかし特別変わったトークはしていない。許可を得て録音させてもらった音声を聞いても、「元気な声だ」と感じる以外はとくに何も見つからなかった。
そこで私は角度を変えて、周りの営業スタッフに彼について聞いてみた。すると「彼がいつも“電話が得意だ”と言いながら電話していますよ」と教えてもらった。実はこの良い刷り込みが彼のテレアポがうまくいく理由だったのだ。