セールスフォース・ジャパンは、年次調査レポート「マーケティングインテリジェンスレポート」(第3版)の日本語翻訳版を公開した。
世界17ヵ国2,500人以上のマーケティング意思決定者を対象に実施された本レポートでは、デジタルファースト時代のマーケティングを形成するトレンドとインサイトについて調査するとともに、データをどのように成長と顧客体験のために活用しているか深掘りした。さらに、プライバシーを重視するデータ・エコシステムにマーケターがどのように適応しているか、クロスチャネル・マーケティングを形成するトレンドについても解説された。
グローバルを対象とした調査結果概要
マーケティングの重要な成功指標をたずねたところ、「顧客満足度」が46%でもっとも多く、「投資利益率」(40%)が続いた。
データプライバシーの変化による戦略転換についてたずねると、マーケターの9割が、デジタルプライバシーポリシーの変更に伴いマーケティングパフォーマンスの測定方法が根本的に変化したと回答。
またプライバシー基準や機体の変化に適応するため、テクノロジーへの投資が増加傾向にあることが明らかになった。
企業成長と顧客体験向上を実現するための重要事項について、マーケターの約5人に4人が「データ品質」と回答。
また、マーケターの80%が「各マーケティング投資におけるROI追跡能力に改善が必要」と回答した。
さらに、98%のマーケターが「クロスチャネルのマーケティングの全体像を把握することが重要」と回答した一方で、71%のマーケターが各チャネルのパフォーマンスを個別に評価していることも明らかに。個別評価を行っているマーケターの中で、46%がチャネル単位、51%がプラットフォーム単位で評価している。
インサイト獲得までのスピード
マーケテイング戦略に適応するインサイトの獲得について、全パフォーマンスレベルのマーケターのうち、求めるスピードでデータにアクセスできているのは半数以下という結果に。リアルタイムでパフォーマンスアラートを受け取っているマーケターは11%であり、27%は毎月もしくはそれ以下の頻度でクロスチャネルのパフォーマンスをモニターしていた。一方、パフォーマンスが高いマーケターは、パフォーマンスの低いマーケターの約2倍の確率で「迅速なインサイト獲得ができる」と感じていることが明らかになった。
グローバルと日本の調査結果比較
企業の成長を促進するために必要な要素として、グローバルでは1位が「データ品質」、2位が「マーケティング及び営業部門でのビジネス目標の共有」、3位が「クロスチャネル分析」であったのに対し、日本では1位が「新しいマーケティングチャネル・プラットフォームを試行」、2位が「データ品質」、3位が「関連部署における連携」という結果になった。
データプライバシーの変化に対応したテクノロジーへの投資について、グローバルでは「マーケティング分析及び測定のテクノロジー」がもっとも増加したが、日本では「顧客データプラットフォーム」がもっとも増加した。また3つのエリアについて「減少した」と回答した割合が平均7.8%に対し、日本の平均は11.7%となった。