ワークポートは、全国の転職希望者320人を対象に「出産・子育てに関する制度・環境」に関するアンケート調査を実施した。
勤務先が出産・子育てと仕事が両立できる環境だと感じる人は35.9%
現在(直近)在籍している会社では、出産・子育てと仕事の両立が図れる環境が整っているかを尋ねると、「はい」は35.9%、「いいえ」は40.9%、「わからない」が23.1%という結果に。
また、環境が整っていると回答した115人に現在の環境に満足しているかを尋ねると、36.5%が「改善の余地あり」「もっと改善してほしい」と回答した。出産・子育てと仕事の両立を支援する制度や環境があっても、実際のニーズと合致しているとは限らない現状がうかがえた。
職場に改善してほしいこととして挙げられた意見
- 「子育てが始まると役職を降りる風潮がなくなったらいいと思う」(30代・女性・接客、販売)
- 「妻の妊娠、出産および子どもの成長を考慮した転勤制度があればいい」(20代・男性・研究開発)
- 「妻子持ちの人向けの福利厚生を充実してほしい」(40代・男性・クリエイター)
- 「男性でも保育園等の送迎や子どもの病気等での早退が無理なくできるようになればいいと思う」(40代・女性・クリエイター)
職場の制度や環境に満足している人の意見(職場の環境や実際に行われている制度)
- 「産休・育休(取得実績あり)、マタハラ禁止の周知徹底」(20代・女性・管理)
- 「産休育休制度、保育園代の補助」(20代・女性・接客、販売)
- 「家庭の都合が悪ければ、出張の予定を変更できる」(30代・男性・機械系エンジニア)
- 「子どもの用事で帰ることが許される雰囲気」(30代・女性・事務アシスタント)
- 「育休、子の看護休暇、時短勤務、残業免除など」(40代・男性・システムエンジニア)
- 「男女とも産休・育休がとりやすい」(20代・男性・事務アシスタント)
- 「1時間単位での休暇取得が可能」(30代・女性・企画マーケティング)
- 「リモート、コアタイムなしのフレックス」(40代・女性・クリエイター)
出産や子育てを理由に転職や退職を経験・検討中の人が全体の約3割
対象者に、出産や子育てを理由に転職や退職をしたことがあるかを尋ねると「ある」が13.4%、「まだないが検討中」が16.2%、「ない」が42.5%、「出産・子育ての経験がないのでわからない」が27.8%であった。約3割が出産・子育てを理由に転職や退職を経験・検討していることが明らかになったほか、経験・検討をしていると回答した95人の内訳では、女性が53人、男性が42人と、女性だけでなく男性も出産や子育てを理由に転職や退職を経験・検討していることが明らかに。
現在(直近)の職場では「出産や子育てが昇進や昇格の妨げになる」約6割
現在(直近)の職場において出産・子育てが昇進・昇格の妨げになるかを尋ねると、「はい」が59.7%、「いいえ」が40.3%であった。約6割が出産や子育ての存在は「キャリアを築く上でのマイナス要因」になると考えていることが明らかに。
また、出産・子育ての負担が男女平等だと思うかを尋ねると、「男女平等だと思う」は9.1%、「男性の負担が大きい」は2.2%、「女性の負担が大きい」が88.8%であった。
転職するなら「出産・子育てと仕事の両立が図れる会社がよい」が約9割
出産や子育ての両立が図れる制度・環境整備に力を入れている会社に転職したいと思うかを尋ねると、「とても思う」が61.9%、「やや思う」が26.9%と、合計88.8%が両立が図れる職場への転職意欲を示した。
出産や子育ての両立が図れる制度や環境整備に力を入れている会社に転職したい理由
- 「現在の会社ではそういう制度がなく金銭的にも体力的にも大変なので」(30代・女性・管理)
- 「子どもは欲しいが、現在の勤務先では金銭面の負担や休暇の取りにくさにより叶わないため」(40代・男性・管理)
- 「配偶者との共働きのしやすさが、収入や家庭環境に大きく影響すると考えるため」(20代・男性・営業)
- 「子どものことも自分のキャリアも大事にしたいから」(20代・女性・公務員、教育)
- 「従業員のことを考えられる企業は将来的に成長しそうだから」(20代・男性・事務アシスタント)
- 「女性活躍推進は、経済活性のために必須だと思うから」(20代・女性・営業)
- 「これまで子育てを妻に任せっきりだったため」(40代・男性・機械系エンジニア)
調査概要
- 調査内容:出産・子育てに関する制度・環境について
- 調査対象者:当社を利用している全国の転職希望者(20代~40代の男女)
- 有効回答:320人
- 調査期間:2021年6月2日~6月9日