日立製作所は、数十人から数百人規模の勤務シフトを作成する「勤務シフト最適化ソリューション」の提供を開始した。
一般的にシフト制を導入する職場では、過去の繁忙期の傾向や、個人やチームのタスク・希望など、細やかな制約を考慮してシフトを作成する必要があるため、大規模になるほど作成に膨大な工数と時間を要する。加えて、昨今、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、「密」を避けた勤務体系を採用する企業が増加。交代制シフト勤務や非対面業務など、従来の画一的な勤務体系が見直され、適正な人員配置の必要性がますます高まっている。
「勤務シフト最適化ソリューション」では、量子コンピュータを疑似的に再現し、時間ごとの必要人数やタスク、休暇希望、勤務頻度、通勤時間などの条件に対応した勤務シフトを作成。サービスセンターやコールセンターなどの大規模な勤務シフトにおいて、画一的なローテーションによるシフト組みではなく、細かな制約を複合的に考慮した要員配置を実現する。
同社は、提供開始に先立って、三井住友フィナンシャルグループのコールセンター数ヵ所に導入を行い、両社間で実務上の評価観点を検討・実証した。すると、人の手で作成する従来の勤務シフトと比較して、余剰配置の発生を約80%削減するなど、要員配置の適正化に対する有効性が確認できた。