こんなときこそ、ウェビナーに取り組んでみよう!
みなさん、こんにちは。プロジェクトエディターの前田です。コロナウイルスの影響を受け、セミナーや展示会など各種イベントが中止になっています。こうした状況下、代替手段としてウェビナーに取り組もうとしている方々が多くいらっしゃいます。私が登壇予定だったセミナーや講演も軒並み中止・延期になっているのですが、人をアサインし、場所を抑えている手前、参加者の来場はナシでセミナーだけをライブ配信できないかという相談が寄せられています。
これまで、ウェビナーはリアルタイムイベントのついでに収録・配信することが多く、セミナーだけを配信することは、BtoBの世界ではあまりありませんでした。そこで、今回の記事ではウェビナーに取り組むにあたり、ライブ配信とオンデマンド配信というふたつの配信手法のメリットとデメリットを整理し、SFAやMAなどのSales Techと連携したセールスコンテンツとしてのウェビナー動画の活用方法について解説します。
ライブ配信とオンデマンド配信の違いについて
まず、「ウェビナー」「ライブ配信」「オンデマンド配信」の定義を整理しましょう。本記事では、ウェビナーを「セミナーを収録・撮影して、オンラインで配信するコンテンツ」と定義します。そして、このコンテンツを配信する手段として、ライブ配信とオンデマンド配信があります。ライブ配信は文字どおり、リアルタイムにセミナーを収録して配信するもの。オンデマンド配信は収録した動画をウェブ上に置いて、視聴者が見たいときに見られるようにするというものです。
ライブ配信したセミナーをリアルタイム限定にせず、その後も視聴できるようにすればオンデマンド配信になるので、大して違いを感じませんが、リアルイベントのライブ配信が主要目的で、そのおまけとして撮影したセミナーをオンデマンド配信するのと、オンデマンド配信だけを目的とするのではコスト面で雲泥の差があります。以下に、ライブ配信とオンデマンド配信の概要とメリット・デメリットを比較してみました。
リアルイベントを主目的としたライブ配信の場合、どうしても現場に配備するスタッフが必要になります。ライブ配信を体験された方には経験があると思いますが、配信されている動画の音声が視聴環境によって聞こえづらくなってしまうことがあります。こうしたとき、音声スタッフは快適な視聴状態にするために、マイクなどの細かな調整を行っています。照明なども同様です。
また、司会者はイベントの場を盛り上げたり、つつがなく進行していく必要がありますが、ダレずに60分の間(ま)を持たせるというのは相当な力量を求められます。私たちは60分のトーク番組をテレビで目にしますが、あれは司会者の腕と収録後の編集(効果音やテロップなど様々な技術)を経た成果であり、これを真似することは容易ではありません。
一方、オンデマンド配信の場合は、もっとも少ないリソースであれば、PC1台、話者1名で収録することが可能です。聴講者がその場にいないので司会は不要。収録する環境が静かで、十分な明るさがあれば、音声・照明スタッフも不要です。プレゼンテーションを撮影するだけなので、撮影に要する準備や時間も少なく、短く済みます。
コスト面ではオンデマンド配信のほうに利がありますが、ライブ配信にはリアルタイムならではのメリットがあります。私もいろいろなセミナーに登壇することがあり、その価値を強く体験するのですが、講師にその場で質問できることは大きな価値のひとつです。
研修の世界には、コネクトアプローチとコレクトアプローチという言葉があります。コネクトアプローチとは、セミナーやワークショップなどリアルなコンテンツ。コレクトアプローチはメルマガやホワイトペーパーなどデジタルなコンテンツです。
コネクトアプローチの長所は、形式化が難しい知識の移転が可能なこと。知識の提供者を聴講者がどれほど信頼しているかを測れることにあり、聴講者との関係を深め、深く理解する手段としてはとても強力です。セミナー終了後、個別相談会などを設けることが多いのは、そうしたメリットを感じていらっしゃるからでしょう。その場で質問をしてくださる方は、それだけセミナーを提供する企業や登壇者のソリューションやナレッジを必要としています。リアルイベントのライブ配信であっても、Sli.doなどの質問システムに質問を投げかけてくれれば、その場で答えることができ、質問者に立っていただくなどすれば、その方を特定することができます。オンデマンド配信にはこうした場と時間を設けられないというデメリットがあります。
しかしながら、メリットがあればデメリットも存在します。ライブ配信はどうしても視聴者をその場・その時間に拘束してしまうため、見たいときに見たいところ(複数名いれば意中のゲストのプレゼンだけを視聴するなど)を視聴できるオンデマンド配信の後塵を拝すことになります。
そこで活用したいのがSales Techです。SalesZineの読者のみなさんであれば、SFAやMA、CRMなどのツールを何かしら利用中、あるいは利用を検討されていると思います。オンデマンド配信の「一度配信したコンテンツに、視聴者が望むときに何度でもアクセスできるメリット」を活かすことで、質問などのコミュニケーションがその場ですぐにできないデメリットをSales Techで解消することができます。