Sales Markerは、AIスーパーエージェント「Orcha(オルカ)」を正式リリースしたことを発表した。同サービスは、2025年5月に発表したSales Markerスーパーエージェントの構想をもとに開発された。
第1弾として、リサーチから企業のコーポレートブランドに合わせたスライドの自動生成までを行う「AIスライド」の提供を開始。これにより、インテント(興味・関心・意図)を起点とした提案の質向上や組織の成長支援を加速していく。

近年、AIエージェントの台頭により、とくにマーケティングや営業、カスタマーサクセスなどの分野では、個別機能に特化したサービスが次々と登場し、業務の一部を代替する局面も増加している。
一方で、こうしたツールが個別に存在することにより、人は複数のAIエージェントを使い分け、各インターフェースに対応しながら意思決定を担うなど、業務負荷が依然として高いのが現状である。
PwCが発表した「2035年への生成AI技術変化を見据え、今、日本企業がなすべきこと」においても、AIエージェントが企業の競争力を左右する重要な戦略的技術となり得る展望が提示されている一方、統合的なAIオーケストレーション基盤の整備が不可欠であることが指摘されている。
こうした課題意識のもと、Sales Markerは、人のインテント(興味・関心・意図)を起点に、複数のAIサービスや情報ソースを統合し、ビジネスにおける成長戦略の立案から実行を一貫して支援する「ヒューマンセントリックなAIの指揮者(オーケストレーター)」の必要性に着目し、構想を開始。AIスーパーエージェントのOrchaの開発に至った。
第1弾「AIスライド」

Orchaの第1弾機能として提供を開始する「AIスライド」は、商談資料やマーケティング施策の企画書、プロダクト戦略の社内共有資料、カンファレンス登壇用のスライドなど、さまざまなビジネスシーンで必要とされる資料を自動生成できる機能。
たとえば営業担当者であれば、上場企業向けの提案活動において、中期経営計画や有価証券報告書から必要な定性・定量情報を抽出し、アカウントプランやキーパーソンの組織図を含めた提案骨子を設計したり、商談ログをもとに次回提案資料や稟議資料を自動生成したりすることが可能になる。
マーケティング担当者であれば、キャンペーン施策の社内承認資料や外注先へのブリーフィング資料、ナーチャリング向けホワイトペーパー案などを、目的とターゲットに応じた構成で作成することができる。
また、エンジニアにとっても、プロダクト構想やアーキテクチャの背景説明など、言語化に時間のかかる思考をスライドに落とし込む伴走者として活用できる。
AIスライドは、情報収集・構造化・言語化・視覚化といった一連の資料作成プロセスを、ユーザーのインテントに基づき統合的に支援する。