クラウド型データ活用プラットフォーム「Domo」を提供するドーモは、敷島製パン(以下、Pasco)が営業担当者の経験や知識などをDomoの活用により可視化・分析することで、営業スタイルの改革につなげている事例を発表した。
Domo活用の背景
Pascoの営業担当者は取引先を一店舗ごとに訪問していたが、コロナ禍によって「訪問人数・時間・頻度」に制限がかかるようになり、店舗を訪問するこれまでの営業スタイルを変更せざるを得なくなった。そのため、どのような状況下でもサービスレベルを落とさず「常にお客さまの課題に寄り添う営業」を実現するために、2020年9月に営業DX推進部を立ち上げ、今後どのように対応していくべきか検討していた。
そこで、営業担当者の行動の可視化を目的として、営業DX推進部が先導して営業部門におけるDomoの導入・活用に取り組んだ。同部の取り組みにより営業担当者の暗黙知が形式知化されたことで、コロナ禍でも組織全体で取引先を支援でき、継続的にサービスを提供し続けることができた。
Domo活用法
営業DX推進部は、手作業で行っていたレポート配信作業をDomoで自動化するなど、営業の「困りごと」を丁寧に聞きとり、ルーティンワークを次々とDomoに置き換えた。具体的には、営業活動内容を「商談・受発注・事務作業」などの項目に分類し、その割合と売上高や取引高と掛け合わせて時系列でひと目で見てわかるように表示している。また、各店舗の巡回時間と取引高の相関関係をバブルチャートで可視化している。
これにより、日々の「点」の情報が「線」となり、今まで見えてこなかった課題や全体像、傾向の把握に役立てている。さらに、営業担当者は日報の利用目的が明確になったことで入力率も向上し、上司は営業活動の把握が容易になったほか部門全体のリソース管理にも活用できている。
Domo導入効果
営業担当者の活動内容を詳細に可視化、分析できるようになったことで、どこを改善すれば売上につながるか、データに基づいて上司と相談ができるようになった。たとえば、思うような売上がでていない場合は、「訪問回数や提案数を増やしてみる」、もしくは訪問回数が足りている場合は「提案内容を変えてみる」など、営業担当者の努力もデータとして見えている分、適切な改善ポイントをスピーディーに見極めることが可能になった。
今では個人の経験や勘だけに頼ることなく、データに基づく豊富な判断材料を活用しながら、どこのフォローアップが急務かを分析して具体的なアクションが迅速にとれるようになった。
また、各営業担当の暗黙知をデータ化して組織全体で形式知として共有することで、改善のサイクルが循環する戦略的な営業スタイルを実現している。
Domoについて
Domoは、直感的に使えるダッシュボードやアプリケーションにより可視化されたデータに基づくアクションを起こし、ビジネス成果の向上に寄与するクラウド型データ活用プラットフォーム。Domoのデータ基盤は利用中のクラウドツールや旧システムと接続することができる。