ウィズコロナ時代のインサイドセールスを成功させるために
トークテーマ
1.コロナ前後のもっとも大きな変化は?
2.これからの組織・チームが成功するために重要なことは?
3.個人が成功するために重要なことは?
パネリスト紹介
パネリストのご経歴は「インサイドセールス組織が愛用する14のツールとは? 『TELKETO分科会』グラレコセミナーレポート」をご覧ください。モデレーターは、前回に引き続きユーザベースの神谷竜市さんです。
「ハイパフォーマー」と「ローパフォーマー」の差が明確化
1.コロナ前後のもっとも大きな変化は?
社内コミュニケーションに感じる物足りなさ(ユーザベース)
山元(ユーザベース) 「社内コミュニケーション」に生じた変化がもっとも大きかったように思います。たとえば、新たに入社した社員へのオンボーディングでは、オンライン環境下でのトレーニングに限界を感じる場面が多々ありましたね。オンラインではなく実際に隣に座ってトッププレイヤーが電話しているところを聞くことで、立ち居振る舞いや喋り方も含めて、「そういった言い回しがあるのか!」と、ただ録音している音声を聞いたとき以上に得られる学びがあっただろうなと思ってしまいました。
もちろん、オフラインで実践していたことをオンラインでも再現するべく試行錯誤はしているのですが……どうしても物足りなさやもどかしさを感じてしまいます。
神谷(ユーザベース/モデレーター) ちなみに、今後は出社をしてもらう方向で考えていますか?
山元 そうですね、会社としてはコロナ以前からリモートOKとしていますが、出社とリモートをどういう割合にするかはチームによって選択できるようにしています。そのため、新しいメンバーに対しては「出社することに問題はないか」を入社時に確認するようにしています。とはいえ、出社することがメンバーの負担になってしまっては元も子もないため、その人が出社をするべき人なのか、出社しない方が向いている人なのか――オン・オフのスイッチが入りやすい環境を、ともに確認するようにしています。
在宅勤務でパフォーマンスが向上する社員の存在(Wovn Technologies)
宇都(Wovn Technologies) 大きな発見だったのは、「在宅勤務によりパフォーマンスが向上する人もいる」ということです。コロナ禍以前は、メンバーは皆出社していたため、当然「出社したほうが高いパフォーマンスを発揮するだろう」と思い込んでいました。ところが、在宅勤務に切り替えたことでハイパフォーマーとして頭角を現した社員も現れたんです。リモートワークにより時間の制約が緩和されたことで、とあるママさん社員がパフォーマンスをグッと高め、最終的にチームの中でナンバーワンの成績を獲得することもありました。
また、コロナ禍以前と比較すると、社外に向けたオンラインイベントを開催する際に得られるリードの属性が変わってしまったようにも感じています。リードそのものは予定どおり獲得できているものの、Wovn Technologiesを認知しているリードが減ってしまったため、リードナーチャリングがより重要になりました。
神谷 「認知が低い」というのは、企業のセミナーに参加する人が主催する企業名を意識せずに参加しているということでしょうか?
宇都 「参加はするが、セミナーは流し聞きしている」パターンが多いですね。一見して温度感の高さがうかがえたリードでも、いざ連絡してみると反応がいまひとつ、というケースが増えたように感じます。
「ハイパフォーマー」と「ローパフォーマー」の差が明確化(ヤプリ)
小林(ヤプリ) コロナ禍を経て「ハイパフォーマー」「ローパフォーマー」の差が明確化したように思います。仕事への意識が高く、「今の自分が何をするべきか、を自ら考えられる」はトップパフォーマーの必須条件であると感じるようになりました。商談数を見ていると、その差が顕著に現れますね。
神谷 出社していたときは、周囲から影響を受けたり、フォローし合ったりすることでお互いを高め合うことができましたが、在宅勤務の環境下では、自らが志を高く持ち、自分自身で問題解決をする必要がありますよね。
小林 まさしくおっしゃるとおりです。出社をしていた時期と比較して、マネージャーの目が行き届かなくなってしまいました。また、「ちょっとした会話」が失われてしまったことも大きな要因だったのではないかと思います。仕事に対して、受け身なメンバーとそうでないメンバーとの差がこの1年で大きくなってしまったように感じます。
神谷 そのようなメンバーに対して、上司として、どのような「テコ入れ」をなさるのですか?
小林 ローパフォーマーの管理は苦労しますよね……。私自身は、「役割を減らす」という方法を採りました。期待値以上のことを求めても、お互い不幸になってしまうと考えたためです。また、インサイドセールスのKPIを再定義し、役員に対してKPIの変更を打診することもありました。