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SalesZine Day(セールスジン・デイ)とは、テクノロジーで営業組織を支援するウェブマガジン「SalesZine」が主催するイベントです。 丸1日を通してSales Techのトレンドや最新事例を効率的に短時間で網羅する機会としていただければ幸いです。

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営業の仕事は「売る」ことなのか? 「Buyer Enablment」をめぐる冒険

2024年7月12日(金)13:00~18:20

常に高い売上目標を達成し続けなければいけない営業組織。先行きの見通しが立たない時代においても成果を挙げるためには、過去の経験にとらわれず、柔軟に顧客や時代に合わせて変化し続けなければなりません。変化に必要なのは、継続的な学びであり、新たなテクノロジーや新たな営業の仕組みは営業組織の変化を助け、支えてくれるものであるはずです。SalesZine編集部が企画する講座を集めた「SalesZine Academy(セールスジン アカデミー)」は、新しい営業組織をつくり、けん引する人材を育てるお手伝いをします。

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SalesZine Day 2022 Summer(AD)

経験が浅いメンバーでも商談化率97%! インサイドセールスが見るべき指標を事例から解説

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 2022年7月26日に開催された「SalesZine Day 2022 Summer」。「Sales Data Matters - データドリブン組織で叶える BtoB CXの実現」をテーマに、データを組織力向上やCX向上の糧とする各社の取り組みが紹介された。本稿では、エフ・コードCX事業部長 取締役の荒井裕希氏が登壇したセッション「これだけ見ておけばOK!データに振り回されないインサイドセールス組織運営」の内容をお届けする。

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自社のインサイドセールスが評価され、他社支援を開始

 2006年に創業したエフ・コードは現在、CX向上SaaS「CODE Marketing Cloud」の提供をはじめとするCX事業と、デジタル領域のセールスおよびマーケティング支援を提供するDX支援のふたつを事業軸としている。toCビジネスのマーケティング支援を主軸としていた創業期を経て、2010年にSaaSビジネスを、2019年にBtoB特化型のマーケティング支援およびインサイドセールスの支援をスタートし、半年前には東証グロース市場への上場を果たした。本セッションではこのうちDX支援をテーマに、同社自身がいかにしてデータを活用しながらインサイドセールスの組織運営をしてきたか、その裏側を紹介した。

株式会社エフ・コード CX事業部長 取締役 荒井裕希氏

 同社にとってDX支援は、2年半ほど前から提供し始めた比較的新しいサービスだ。もともとはCX向上のためのSaaSを自社開発し、自社のインサイドセールスチームで活用していたところ、BtoBの身近な取引先からエフ・コード自身のインサイドセールスを評価する声が聞かれるようになったという。これを機に、取引先企業のインサイドセールスを支援するようになり、現在ではIT、デジタル、SaaS企業を中心に、多数の企業へマーケティングとインサイドセールス支援を提供している。

 エフ・コードがセールスプロセスについて考える際のベースとしているのが、営業活動を「リストからリード(見込み客)へ、リードから商談へ、商談から案件受注へ」とフェーズごとに管理する「The Model」の概念だ。このうち同社では、リード創出から商談獲得までをカバーする領域をインサイドセールスと呼んでいる。なお、コロナ禍以前はフィールドセールスの領域であった案件受注も、コロナ以降はインサイドセールスの守備範囲として対応しているという。

シンプルかつ明確な、SDRとBDRの見るべき指標

 つまりマーケティングによって接点が得られた見込み客に対するアプローチで商談を獲得するのがインサイドセールスの主な役割だ。一方で、未だ接点のない出会いたい企業をリストアップして電話やDM、FAX、メールなどでアプローチして商談を生むアウトバウンドセールスも守備範囲となる。対応範囲が広いため、そこに紐づく課題やデータは多岐にわたる。

 エフ・コードでは外部の企業に対してインサイドセールス支援を始める1年前に、社内のインサイドセールスチームを立ち上げている。立ち上げ以前に抱えていた課題は、毎月のリード数や商談数が目標数値に届かない、そもそもそこにかける行動量や時間を捻出できない、業務にフィットする人材の採用・定着が難しい……など。これはそのまま、多くの営業組織が直面している課題でもある。現状の営業課題を解決しつつ、業務が属人化しないよう仕組み化することで組織全体をレベルアップするために選んだのが、インサイドセールスチーム組織の立ち上げだったのだ。

 現在のエフ・コードの組織体制は図のようになっている。

 このような体制のもと、エフ・コードのインサイドセールスが着目している指標・データは次のように整理できる。

  • SDR(≒インバウンド対応):問い合わせから5分以内の架電率、そこからの商談化率
  • BDR(≒アウトバウンド対応)1次コール:接触数/ターゲット比率
  • BDR(≒アウトバウンド対応)2次コール:会話時間/商談化率

 なお荒井氏は前提として「インサイドセールス=架電ではなく、カバーするチャネルや業務は多岐にわたるが、もっとも素早く濃密なアプローチができるチャネルとして電話を最重視している」と説明した。

 同社では、SDRはいわゆる反響型として見込み客側からの問い合わせへの対応、BDRはハウスリストやコールドリストに自社からアプローチを行っている。BDRにおいては、1次コールは商談のきっかけづくりに徹し、2次コールで初めて商談の打診をするというように、細かくその役割を定めている。

SDRは初動が肝心!経験が浅いメンバーも商談化率97%

 先ほどの説明どおり、SDRで見る指標は「問い合わせ発生から5分以内の架電率と、そこからの商談化率」。時間を5分以内としているのは、覚えやすいということに加えて、実際に5分を境に商談化率に大きな差が生まれるからだ。見込み客側のアクションを想像すると、自社に問い合わせをしている場合、比較検討のために競合他社にも一気に資料請求をしている可能性が高い。その中でファーストリアクションが遅くなれば、優先順位は下がってしまう。こうした状況において細かいテクニックは必要なく、初動こそがすべてだと荒井氏は語る。

 エフ・コードではデイリーでこの指標を確認し、問い合わせから5分以内に対応できなかったものについてはその原因を分析している。また、問い合わせから5分以内に電話をしてつながらなかった場合は即時メールを送信。電話ほど深くコミュニケーションをとることはできないが、徹底すべきは初動のリアクションだ。この行動を徹底した結果、経験が浅いメンバーでも商談化率97%を達成できている。

 また、昨今ではオンラインイベントや自社ウェビナーが主流になり、以前に比べて見込み客との接点をつくりやすくなった。しかしイベントが終了から10分が経過してしまえば、内容をしっかり説明できる参加者はほとんどいない。ウェビナー後もやはり、接点を持つことができたら早急にアプローチをするのが鉄則だ。実際、ウェビナーで接点を得たのにもかかわらず1~2週間後にようやくアプローチする企業も珍しくない。エフ・コードが支援した企業の中には、ウェビナー後のアプローチをメールによる資料送付から電話での接触に切り替えたことによって、商談化率に20倍の差が出た例もあったという。

2次コールのKPIは"会話時間" 役割分担で質と量を担保

 BDRにおいて重要なのは役割分担による「量」と「質」の担保だ。先ほど触れたとおり同社ではBDRを1次コールと2次コールに分け、1次コールは商談のきっかけづくり、2次コールは商談の打診と、細かくその役割を定めている。

 営業電話は多くの場合、受け手にとっては急な電話だろう。内容はともかく、知らない相手から突然かかってきた電話で長々と話を聞こうという気持ちになるのは難しい。営業側はその心理を理解し、いきなり商談を目指すのではなく、初回はあくまでも「商談のきっかけ」をつかむことをゴールにすることが大切だ。属性やキーマン情報など次につながる情報をヒアリングし、自社を少しでも覚えてもらうことができれば、1次コールの目的は果たせたことになる。その後情報を送付し、少し時間を置いて2次コールをし、サービスへの期待値を高めたうえで商談を提案することによって、商談化率は向上するという。

 2次コールで大切なのは、ヒアリングに固執しすぎないことだ。たとえば予算・決裁権・ニーズ・導入時期などのBANT情報は営業をする側にとっては押さえておきたいところだが、ヒアリングの段階ではそもそもBANTが固まっていない企業もあるだろう。中長期的に事業を伸ばすには、購買タイミングが先になる企業へ向けても、こちらから提供する情報量を増やしていくことが肝要だ。

 エフ・コードではBDRの2次コールのKPIを「会話時間」としている。なぜなら、会話時間が長いほど商談化率が高くなることが同社のデータでわかっているからだ。会話を無理矢理引き伸ばす必要はないが、会話時間が長い=相手が時間を割いて話を聞いてくれているということであり、丁寧なQ&Aの積み重ねによって、商談化率の向上が実現できる。

 プラスアルファの施策として、大手企業にアプローチする際は「0次」のステップに注力することもあるという。それが1次コールの前に、自己紹介のための手紙をしたためるというものだ。ターゲット企業の業界課題に対して自社がどのように役立てるのか、類似事例にはどのようなものがあるか、そのうえでどのような提案をさせていただきたいか。これらを手紙に書いて送る手法は、古典的ながら近年増えてきており、実際に響くケースもあるという。

立ち上げ時に失敗したことは?[経験に基づくQ&A]

 セッションの後半では、よくあるインサイドセールスの課題に答えるべくQ&A形式でエフ・コードの取り組みが紹介された。各質問に対する回答のサマリーをお伝えする。

Q. エフ・コードでは、もともとすべての業務を社内で完結させていたのか?

 当初は外部の企業も巻き込みながら、外部の専門家チームと自社のチームでの効率的なリソース配分を徹底的に考え抜いた。それを経て、最終的には内製でインサイドセールスチームを立ち上げた。インサイドセールスチームを立ち上げる前に、外部の方とうまく役割分担をしてやっていく方法も有効である。

Q. どのようにメンバーを育成しているか?

 適性判断とモチベート管理を徹底している。たとえばSDRに向いている人とBDRに向いている人がいたり、さらにBDRの中でも1次コールに向いている人や2次コールに向いている人がいたりする。喋り方が早口なのかゆったりなのか、傾聴することに長けているのか人に説明をするのが上手なのかなど、もともとの特性をきちんと見ながら適性を判断することが大切だ。またモチベート管理においては、短くても定期的に上長との面談をもつことを重視している。

Q. エフ・コードがインサイドセールスチームを立ち上げる際に失敗したことは?

 ひとつは、外部を頼る前に、全部内部でやろうとしていたこと。現在は経験を積んで役割分担や見るべき指標もわかってきたが、当時は思いついたことからリストつくってアプローチしてという状況で、すべてを自社でやるのは無理があった。ふたつめは、営業メンバーを担当制にしたこと。あなたはインサイドセールス、あなたはフィールドセールスというやり方をしようとしていたが、適性を無視したこのような方法はうまくいかなかった。

Q. BANT情報に固執する必要がないと言っていたが、ほかのセミナーではBANT情報が重要と聞いた。本当に必要ないのか?

 BANT情報が必要ないということではない。重要な情報であることに間違いはないが、大切なのは聞き出すシチュエーション。BANT情報は軽々しく外部に話せるものではないことを理解し、自社がどのように役立てるのか、どのようにしてお客様の課題解決を実現するのか、それがどのような変化を生むかをきちんと伝え、納得したうえでBANT情報を提供していただくことに意味がある。

Q. 商材や業種が違っても、このセミナーのノウハウは効果を発揮するか?

 一般論というよりは、ある程度幅広く効果を発揮するものと考えている。エフ・コードはIT、デジタル、SaaSの顧客が多いが、人材や会議室など、さまざまな商材を持つ企業の支援をしており、その多くは効果を発揮できる要素がある。

 エフ・コードのインサイドセールス支援は、月々20件以上の新規商談により累計2,000万円以上の契約を獲得した例や、立ち上げから2ヵ月で20件以上の有効リードを獲得した例など、数多くの実績を挙げている。同社はこうした実績を通してインサイドセールスにおける知見を磨くとともに、人員を強化し、他社のインサイドセールス支援にさらに注力していく。

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提供:株式会社エフ・コード

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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