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営業の仕事は「売る」ことなのか? 「Buyer Enablment」をめぐる冒険

2024年7月12日(金)13:00~18:20

常に高い売上目標を達成し続けなければいけない営業組織。先行きの見通しが立たない時代においても成果を挙げるためには、過去の経験にとらわれず、柔軟に顧客や時代に合わせて変化し続けなければなりません。変化に必要なのは、継続的な学びであり、新たなテクノロジーや新たな営業の仕組みは営業組織の変化を助け、支えてくれるものであるはずです。SalesZine編集部が企画する講座を集めた「SalesZine Academy(セールスジン アカデミー)」は、新しい営業組織をつくり、けん引する人材を育てるお手伝いをします。

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なぜ日本企業の生産性は向上しないのか?営業を科学し続けたソフトブレーンが導く最適解

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 SFAやCRMを導入している企業は増えつつあるが、うまく活用できていると自信を持って答えられる担当者は一握りかもしれない。なぜシステムが現場に定着せず、なぜ営業の生産性は上がらないのか。その理由を立ち止まって考える、すなわち「科学する」ことを続けてきたソフトブレーンが、現在の営業現場が抱える課題をあぶり出し、その最適解を導く。

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科学されてこなかった営業

 経営やマーケティングは古くから学問として積極的な研究が進められているが、果たして営業はどうか。マーケティングも営業も、インターネットの普及やテクノロジーの発達によって進化しているはずだが、今もなお属人的かつアナログなやり方で業務が進められている営業の現場は少なくない。

 ソフトブレーンは、東証一部上場企業の中で唯一「営業イノベーション事業」を展開している。まさに営業を科学し、再現性の高い「型」をつくることが彼らのメインミッションだ。具体的には営業コンサルティングやトレーニングのほか、東京大学と手を組み営業の共同研究も行っている。ベンチャーから大手まで、業界を問わず7,000社以上のユーザーと取り組んだ実績をもとに、同社の取締役を務める長田氏が営業の生産性を向上させるためのノウハウを紹介した。

 
ソフトブレーン株式会社 取締役本社 営業本部長 兼 人財開発室長 長田順三氏

 世界経済フォーラムが発表しているデータによると、日本は対象となる139ヵ国中「新しいIT技術の採用」の項目において2位にランクインしている一方、労働生産性を調査した別のデータでは主要先進7ヵ国中最下位という結果に終わっている。つまり、日本はITを活用しているのに生産性が上がらない国であるという現状がふたつのデータから読みとれる。加えて、少子高齢化により労働人口は下がり続けており、ひとりあたりの生産性がこれまで以上に向上を求められることとなる。

 
 

 ではなぜ、IT化の進度に反して生産性が上がらないのか。長田氏は、考えられる要因を3つ挙げた。

日本がITを活用しているのに生産性が低い理由

 ひとつめの要因は「データのサイロ化」だ。基幹システム、名刺管理ツール、マーケティングオートメーション、グループウェアなど、導入しているシステムやツールがバラバラで、情報も分散してしまっている企業がこのパターンにあてはまる。たとえば、グループウェアを導入してマネージャーが営業担当者の訪問先を把握できるようになっても、彼らが行くべき先に行けているかどうかまではマネジメントできない。また、CRMやSFAのような営業支援システムをせっかく導入しても、管理をExcelで行っていては入力や報告の手間が増えてしまう。

 

 「このやり方では同じような内容を何度もフォーマット別に書く必要があるので当然時間はかかりますし、情報が分断されてしまうのでマネジメントに必要な判断材料が集まらず、PDCAが回りません。個別最適のシステムやツールがそれぞれの課題を解決しているだけで、全体的な課題は解決できていないと言えます」(長田氏)

 ふたつめの要因は「営業を科学する視点がない」点にある。「営業は結果がすべて」だと思われがちだが、結果が出る前には必ず正しいプロセスが存在している。

 「たとえばパン工場の場合、美味しいパンをつくるために材料を配合する、こねる、発酵させる、焼くという工程が見える化されているので品質の改善もできますが、営業は結果に至るプロセスがブラックボックス化されているケースが多く、今月の会議では確度Aランクだった訪問先が、翌月の会議資料では消えている、などということもよくあります。営業は勘や経験、根性に頼った属人的なスタイルに陥りがちで、プロセスマネジメントの考え方が抜け落ちてしまっていると言えます」(長田氏)

 

 3つめの要因として「CRM、SFAが現場に定着しにくい」という点が挙げられる。たとえば、基幹システムの場合はそれがなければ伝票が発行できず、売上を締めることもできないため、使い勝手が悪くても使わざるを得ない。また、基幹システムを主に使う経理担当者の業務はデスクワークが中心で、ITに慣れた人も多い。一方、営業の場合はデスクワークの比重が小さく、Excelやメールで報連相を行うこともできるので、ツールやシステムを導入する必然性が低い。20年前に欧米から上陸したSFAやCRMが、まだうまく日本に定着していない理由はそこにあると長田氏は指摘した。

 

 「国土の広い欧米では、日本のように1日に何件も営業先を訪問することはできないため、案件登録型のツールがシェアを占めています。一方、ルートセールスやフィールドセールスが営業の主流を担う日本で外資系の営業支援ツールを活用するとなると、毎日5〜6件の案件やスケジュールの登録作業が発生するため、そこで挫けてExcel管理に戻ってしまうのではないでしょうか」(長田氏)

データの一元化と簡単インプットが課題解決の最短ルート

 3つの要因から、データを一元化してITをフル活用できる仕組みづくりの重要性が浮き彫りとなった。長田氏はさらに踏み込んで、「情報が蓄積される仕組みをつくり、今より楽になれる仕組みをつくる」という両輪が揃わなければいけないと述べた。そのためには何から取りかかるべきなのか。

 まず重要なのは、基幹システムと各種営業支援ツールの連携だ。ソフトブレーンが提供するeセールスマネージャーの場合、基幹システムとの連携がライトに行える。連携後は企業名をクリックすると顧客戦略台帳が立ち上がり、過去の売上実績推移や有効接触日、クレームやキーマンに関する情報が集約されたカルテを自動作成することができる。

 

 「顧客を軸に、営業担当者と上司だけでなく全社であらゆる情報をかんたんに共有できる仕組みになっているので、たとえば顧客カルテからAという担当者が自社のファンだとわかれば、後ろ向きな決裁者を口説き落とすためAさんに一肌脱いでもらい、役員同席の打ち合わせをセッティングしてもらうというアクションプランにつなげることもできます。名刺をただ電子化しただけでは全体像が捉えにくく、作戦も浮かびにくいはずです」(長田氏)

 今より楽になれる仕組みづくりを目指すにあたり、とにかく容易にインプットできることはツールの必須条件となる。eセールスマネージャーは「シングルインプット、マルチアウトプット」という特性を持ち、1分程度の所要時間でスマホから活動報告を上げられるうえ、報告内容は企業情報、名刺情報、案件情報、スケジュールなどに関連づけされてタイムラインに自動投稿される。マネージャーはタイムラインを通して部下にコメントやアドバイスを返信できるので、Excelを使った会議資料の作成やメールによる報連相は省略できる。

 

 続いて長田氏は、顧客から寄せられることの多い課題からふたつを抜粋して紹介した。ひとつめは「営業会議が結果報告会議になってしまい、作戦会議にならない」というもの。とくにルートセールス型の営業現場で多く見受けられるそうだ。

 営業会議を作戦会議にするためには、メンバーの動きや案件の状態をチームで即時に把握する必要がある。eセールスマネージャーは予算と実績のダッシュボードから、両者のギャップを埋めるための案件一覧を表示することができる。そこから各社の顧客カルテをチェックし、次のアクションを決めて会議に臨めば有意義な作戦会議を短い時間で行うことが可能になる。

 

売上200%の事例も 情報武装し、営業スタイル変革を

 ECサイトの構築やマーケティング支援を請け負うGMOメイクショップは、Excelで行っていた案件管理を止め、eセールスマネージャーを導入したところ、月曜朝の定例会議にかかる時間が90分から15分に大幅短縮された。金曜日の夕方時点でメンバーの動きや案件の状態を把握できているので、月曜日の朝は「今週こんなことをやります」というアクションに関する話から会議をスタートできるからだ。案件対応の抜け漏れも防ぎやすくなり、売上が200%も伸長したという。

 ふたつめの課題は「1日あたりの訪問件数が多いため、準備や報告が中途半端になる」というもの。解決の鍵は「カンタン情報武装」「カンタン報告」にある。eセールスマネージャーには、マップ上で訪問先の検索や報告が行える機能がある。たとえば、自分がいる場所の近くに最近訪問できていない企業が見つかれば外出のついでに追加訪問ができ、アイコンをクリックすればその企業のカルテを閲覧できるので、商談のプランも立てやすい。営業報告もマップから行えるので「ルートセールスのビジネスモデルに合った戦い方ができる」と長田氏はアピールした。

 カンブリア宮殿にも特集されるなど、業界で注目を集める食品卸業のプレコフーズは、目標に対し2.2倍の新規開拓数を実現した。もともと紙で行っていた営業報告を廃止し、eセールスマネージャーを導入したことで顧客や案件の管理が徹底され、イベント終了後のフォローアップをスピーディに進められた点に勝因があったと長田氏は話す。

 ITRが行った調査によると、最重視されるIT戦略テーマのトップを5年連続飾っているのは「売上増大への直接的な貢献」だという。売上を増やすITに攻めの投資をする企業が多いなか、どうやって営業に武器を与え、残業を減らしながらプロフィットを上げられるかという課題に取り組んでいきたいと長田氏は語る。

 「何年も変わっていない非科学的営業がどこにあるかを認識し、個人プレーで属人的、データがバラバラの御用聞き営業スタイルから、組織プレーで科学的かつ再現性の高いノウハウに基づき、情報武装化した営業スタイルに変革していく必要があります。メンバー1人ひとりが充実感を持って働ける組織づくりを皆さまと一緒に目指していきたい」というメッセージで、長田氏は講演を結んだ。

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【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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https://saleszine.jp/article/detail/1188 2020/02/21 11:00

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