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SalesZine Day(セールスジン・デイ)とは、テクノロジーで営業組織を支援するウェブマガジン「SalesZine」が主催するイベントです。 丸1日を通してSales Techのトレンドや最新事例を効率的に短時間で網羅する機会としていただければ幸いです。

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営業の仕事は「売る」ことなのか? 「Buyer Enablment」をめぐる冒険

2024年7月12日(金)13:00~18:20

常に高い売上目標を達成し続けなければいけない営業組織。先行きの見通しが立たない時代においても成果を挙げるためには、過去の経験にとらわれず、柔軟に顧客や時代に合わせて変化し続けなければなりません。変化に必要なのは、継続的な学びであり、新たなテクノロジーや新たな営業の仕組みは営業組織の変化を助け、支えてくれるものであるはずです。SalesZine編集部が企画する講座を集めた「SalesZine Academy(セールスジン アカデミー)」は、新しい営業組織をつくり、けん引する人材を育てるお手伝いをします。

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SalesZine & Beyond 2023

新時代の営業に求められる「情報力」「脚本・監督能力」とは──元キーエンストップ営業・天野氏が語る

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「今までの営業のやり方が通用しなくなる」──そんな“新時代”に突入していることを肌で感じている人も多いだろう。営業組織は新時代にどう適応するべきなのか、今営業に求められているスキルや役割とはいったい何なのか。本稿では、2023年10月11日にSalesZineが開催したイベント「SalesZine & Beyond」において、元・キーエンストップ営業の天野眞也さんが登壇した基調セッション「新時代の営業に必要なこと、新しい時代でも変わらず大切なこと」の内容を紹介する。

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法人営業にもっとも重要な「情報力」とは?

宮地(SalesZine編集部) AIやテクノロジーの活用が推進され、顧客の購買プロセスも大きく変化している“新時代”、営業のスキルや役割はどのように変化していくのでしょう。本日は、元・キーエンストップ営業であり、書籍やYouTubeで独自の営業メソッドを発信されている天野さんに、新時代に求められる「営業スキル」と「営業マネジメント」についておうかがいしていきます。

 天野さんは複数社の代表を兼務する現在も、現役の営業として活動しているそうですね。

天野(FAプロダクツ) はい。製造業のDXや生産ラインの開発・実装などを支援する企業で代表を務めているのですが、今朝も大手物流企業に営業してきました。今日は、これまでの営業活動の中で身をもって感じてきたことを、皆さんにお伝えできればと思います。

株式会社FAプロダクツ 会長 天野 眞也さん

1992年、キーエンスに初代新卒として入社し、工場の自動化に関わるセンサーやカメラの提案に従事。入社1年目で同期の中で営業ランキング1位、入社2年目以降もランキング上位の実績をあげ、その後、グループ責任者、営業所長を経て社長直轄の海外営業・重点顧客プロジェクトの初代リーダーに抜擢。売上数百億円から二千億円の企業へと成長するまでの期間、営業として第一線でけん引する。2010年に起業し、現在はFAプロダクツ会長、ロボコム社長などを兼務。製造業のDXから生産ラインの開発・実装までを包括的に支援する事業を展開している。

宮地 まずは、新時代に求められる「営業スキル」からお聞かせください。天野さんは著書『シン・営業力』(クロスメディア・パブリッシング)で、営業には「対人折衝力」「製品・業界知識力」「情報力」の3つの能力が必要だとおっしゃっていました。中でも「情報力」がもっとも重要だと書かれていましたが、その理由を教えていただけますか。

天野 営業力でよく語られるのは対人折衝力、いわゆるコミュニケーション力ですよね。ただ、この能力は“1年で倍上がる”ということはあまりなく、かんたんには上げられないものです。製品・業界知識力も重要ですが、むしろ営業には“あって普通”の能力です。

 一方で情報力は、営業が目標を決めて「これだけ情報力を上げよう」と思えば確実に高めることができます。

 私の著書では、法人営業において重要な情報を「組織情報」「担当情報」「案件情報」「工程情報」の4つに分類しています。情報力とは、お客様の新しい情報に常にキャッチアップし、“お客様軸”で提案できる能力です。

 営業が自分軸で「良い製品ですよ、買ってください」と提案するだけではお客様には響きません。お客様が目指すビジョンやミッション、あるいは中期・長期計画や売上目標に対して、自分たちの製品/サービスがどれだけ役に立つかを提案していくことが、新時代の営業には求められます。このような“お客様軸”の営業をしていくには、情報を集める力が極めて重要なのです。

宮地 過去と現在で比較して、求められる情報力は変化しているのでしょうか? たとえば「ネットの普及、テクノロジーの進化で情報が集めやすくなっている」「コロナ禍で対面機会が減少し、逆に情報を集めにくくなっている」などの変化がありそうですよね。

天野 たしかに近年ネットが普及したことで、IR情報など企業の「公開情報」は集めやすくなっているでしょう。我々も公開情報を営業にフル活用しています。

 一方で、お客様との直接のやりとりの中で得る「非公開情報」を得ることの重要性はまったく変化していません。コミュニケーションをとるためのツールは変わったとしてもです。では、お客様が非公開情報を教えてくれるかどうか、これは何にかかっていると思いますか?

宮地 お客様との接点や関わりがどれだけ多いか、などでしょうか……?

天野 ズバリ、お客様が非公開情報を教えてくれるかどうかは「お客様がその製品/サービスに価値があると思ってくれるか」にかかっています。「自分たちの成功にはこの製品/サービスが必要だ」とお客様に感じさせることができれば、得られる情報の量も質も大きく変わります。

宮地 なるほど。非公開情報を教えてもらうためには、商談前に公開情報もしっかり頭に入れて準備しておく必要もありそうですね。

天野 そのとおりです。しかし、調べたことを自分の頭の中に入れておくだけではもったいない。私はお客様に「これだけ準備してきましたよ」ということを伝えるために、調べた公開情報は必ず資料にして、商談に持っていきます。企業ホームページを印刷して持っていくのでも構いません。資料をもとに「御社の拠点は今これだけありますよね。中期経営計画では○○を目標とされていますが……」と話せば、お客様も自社課題について開示しやすくなりますよね。

 営業は“お客様のゴールに向かう船”に一緒に乗るわけです。お互いがゴールへの道筋をイメージしやすくするためにも、こういった資料を準備することは大切です。

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新時代のマネジメントは「脚本・監督」能力が重要

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この記事の著者

SalesZine編集部 宮地真里衣(セールスジンヘンシュウブ ミヤジマリイ)

新卒で営業職を経験したのち、編集プロダクションに転職し雑誌やウェブ広告の編集業務に携わる。2022年11月翔泳社入社。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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