インサイドセールスプラスで「熱いリードに出会える」ワケ
向井(ウェルディレクション) まず、茂野さんが最近どのようなことに取り組んでいるのか気になっています。
茂野(インサイドセールスプラス) 2024年1月から、運営しているメディア「インサイドセールスプラス」で法人マッチングをスタートしました。興味のある買い手が、売り手に対して商談を設定することができます。売り手の方はもちろん、買い手の方からも喜びの声をいただき、とても嬉しく思っています。
茂野 実は「課題に解決に寄与しそうなソリューションを見つけたらすぐに商談をしたい」という買い手もいらっしゃるんです。その状態で「資料請求→インサイドセールスからのヒアリング→フィールドセールスとの商談」という手間がかかるのは面倒ですよね。
また、インサイドセールスプラス経由の商談対応はインサイドセールスではなく、「フィールドセールス」が行うケースが多いようです。運用はさまざまあって良いと思いますが、問い合わせから複数の受け先を経由するような構造はあまりつくりたくなくて。
向井 「インサイドセールスプラスを通じたリードは比較的熱量高めなので、営業が直接コミュニケーションをする」のは理にかなっていますね。
いわゆる「インバウンドリード」のとらえ方も本当に幅広いと感じています。「無料相談会」で接点を持った見込み客をインバウンドととらえる企業もあるし、熱量の高い問い合わせをインバウンドと定義する企業もある。見込み客の熱量をうまく見分け、ハンドリングできている企業はまだ少なそうです。
茂野 「先方から商談を申し込んでいる」「問い合わせに至る際のページに正しく詳細が書かれている」状態であれば、いわゆる「熱いリード」と出会うことができるのではないでしょうか。
たとえばインサイドセールスプラスでは、「お客様の属性を選ぶ」ことはできません。あらゆる方が、自由に問い合わせをすることができるからです。その際に大切なのが「企業ページに、正直に詳細を書くこと」。価格や支援の条件を正直に書いたうえで、導入したいお客様がいるなら、多少条件に合わなかったとしても提案すれば良いと思うんです。
売り手の事情に沿ってインバウンドリードを増やそうとすると、情報を小出しにして無理やり資料をダウンロードさせることになりやすい。「資料請求はこちら」「商談の申し入れはこちら」と割り振ったほうが、売り手側も正しいアクションも検討しやすく、良い商談をつくりやすいです。とくにある程度リテラシーの高い買い手の方からすれば営業から話を聞くのは最後で良い。今どきの買い手に合わせて、自分たちのコミュニケーションや振る舞いを変えていくと良いと思います。
インサイドセールスプラスでは、あえてレーティングや口コミも用意していませんし、お金をもらうことによる上位表示もしていません。上位表示の条件は「買い手が発信する記事の本数」。買い手、売り手、双方のためによく理解したうえで問い合わせにつなげることがいちばんだと思うからです。
とくにSaaSは、導入して終わりではありません。導入後、成果につなげる活用を実現するためにも、売り手の人間性や確からしさ、ノウハウやナレッジも検討材料になっていくと思うんです。小さなトピックでも良いから、役に立つコンテンツをたくさん書く。運営者としては、目先の経済合理性に飲み込まれたくないと考えていますね。