2020年の「新規営業」を振り返る
ラシックマーケティングの鈴木敏秀と申します。「2021年 新規営業のトレンドとは? ~苦労した2020年新規営業・マーケティングの失敗・成功例から予測する~」と題しまして、成功事例から失敗事例まで、幅広いお話ができればと思っております。
まずは私の経歴からお話します。新卒入社した大塚商会に14年間在籍したのち、ソフトブレーンでSFA・CRM周りを4年ほど担当しました。その後はシステムインテグレーターに11年間在籍し、経験したすべての企業で「東証1部に駆け上がるフェーズ」を経験しました。2010年ごろにBtoBマーケティングブームが到来し、MAなどが上陸したことを契機に、「営業一辺倒ではなく、マーケティングも学ばなければ」と使命感を抱きマーケティングを習得していきました。
当社を起業したのはコロナ真っ只中の6月。会社としても、仕事でかかわるみなさまにも「その人らしさ」を出してほしい、という願いを込めて「ラシックマーケティング」と命名しました。ちなみに、SalesZineでは「上司が教えてくれない!『営業の初回訪問のやり方』」という連載を寄稿していました。2021年は、本日のセッションをより詳細に言語化した連載をスタートします。こちらもご参照ください。
ウェビナー・ウェブマーケティングの「成功」と「失敗」
昨年を振り返ると、好景気が続いていた矢先でのコロナ禍突入でしたので、今後しばらくは景気の低迷が続くのではないかと思います。多くの企業が、2021年の下期を「要注意期間」としてとらえているように感じています。コロナ禍で環境が一変したことから、予算感に慎重になっている企業の方々は少なくありません。
昨年、みなさんがいちばんに苦労したのは「新規営業」ではないかと思います。お客様と直接お会いできる機会が激減し、苦戦を強いられたお話を何度も耳にしました。しかし、数字を作るうえでは「新規受注」は避けられないのが現実です。顧客の購買プロセスの序盤に登場する、このウェビナーでは、新規営業を「全くの新規のお客様を探して、案件型で受注するスタイル」と定義し、各トピックを考えていきます。
まずは昨年の「新規営業」にまつわるトピックを振り返りましょう。ウェブマーケティングが活性化した一方で、リアルの場でのプロモーションは依然として厳しい状況にありますね。その点、ウェビナーの台頭は間違いなく「成功」です。顧客に会えない中、オンライン型のセミナーという形でピンチをチャンスに変えた事例でもあることに加え、費用対効果もよい。全国に向けてアプローチできることも大きな利点ですよね。ウェブマーケティングに関しては、非オンラインのプロモーション・マーケティング費用が使えなくなった分、ウェブマーケティング分野に「投資してみる」流れが生まれたという点で、これもよかったのではないかと思っています。
一方、「失敗」に関して言うと、「インサイドセールス」のほか、先ほど成功事項として挙げた「ウェビナー」「ウェブマーケティング」も言及するべきであると感じています。リアルの場が失われた分、「バーチャル展示会」や「ホワイトペーパー」の活用が盛んになりましたが、「リードの質が悪かった」という声を頻繁に耳にしました。そのほかにも、お客様へのテレアポ部隊と化してしまった「インサイドセールス」、秋口以降急激に収益が悪くなった「ウェビナー」にまつわる相談も多数受けました。
これらの失敗・成功事例を鑑みて、「伝わる製品キャッチへ押し出し方を変える」「インバウンドマーケティングの構築」「テレアポではないインサイドセールス」「ウェビナー集客をもう一度増やす」――この4点を「今年の新規営業を語るうえで押さえるべきトピック」として解説していきたいと思います。