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企業の競争力を高める「営業DX」とは? 日本の営業組織の未来を探る powered by SalesZine

2024年4月18日(木)14:00~15:30

常に高い売上目標を達成し続けなければいけない営業組織。先行きの見通しが立たない時代においても成果を挙げるためには、過去の経験にとらわれず、柔軟に顧客や時代に合わせて変化し続けなければなりません。変化に必要なのは、継続的な学びであり、新たなテクノロジーや新たな営業の仕組みは営業組織の変化を助け、支えてくれるものであるはずです。SalesZine編集部が企画する講座を集めた「SalesZine Academy(セールスジン アカデミー)」は、新しい営業組織をつくり、けん引する人材を育てるお手伝いをします。

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IT営業パーソンが見た、不動産営業のリアル

“検討期間の中長期化”が約5割――不動産業界のインサイドセールスが求められるワケと必要な人材要件

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「The Model」の概念が浸透し、「インサイドセールス」というワードは完全に市民権を得た。インサイドセールスは電話やメールのコミュニケーションを通じてアポを獲得する役割を担う職種だが、IT営業においてはとくに単なるテレアポ部隊ではなく、パイプラインを生み出す司令塔的なポジションとして地位も上がっていると感じる。この流れが、実は不動産業界にも徐々に伝播している。もともとアポ獲得から商談、契約までひとりですべて完結できてしまう不動産業の中では異色のセールス形態だ。第2回では、不動産営業の現場におけるインサイドセールスの現状を紹介する。

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住宅購買者が得られる情報量は増加し、検討期間は中長期化

 馴染みのない方も多いと思うので、まずかんたんに不動産業界の営業構造を紹介します。もともと、不動産営業の多くは「ひとりで完結できてしまう」スタイルです。

(例)購入のお客様の場合

 新規の顧客を割り振られたら、「接客→内覧→クロージング→契約→住宅ローン契約→決済→物件の引き渡し」までひとりの営業担当者が取引を行います。

※厳密には、一部の行程で宅地建物取引士の資格が必要となるため、保有者に手伝ってもらう必要があります

 よって3~5年間、ノルマ達成のために懸命に働ければ大概の業務にひとりで対応することが可能となります。そのため、とにかく属人化が進みやすく、分業のような価値観は構造的に浸透しづらい状況でした。しかし、外部環境の変化が、状況を変えつつあります。

 多くの人にとって、自宅購入は人生1回きりです。内覧後の契約率は一般的に15~20%と言われており、大半はすぐに決まりません。従来はこの“20%”を的確におさえ、クロージングすることが正解でした。しかし、この“20%”ですら構造が変化しています。

 不動産情報サイト事業者連絡起業議会(RSC)が、2019年に実施した「不動産情報利用者意識アンケート」によると契約まで至った顧客の中でも検討期間が3ヵ月以上掛かっている割合が急増しているのです。

 

 要因は「売買検討の過程に、スマホが急速浸透したこと」です。日々接する仲介事業者の皆様から、よく聞くお悩みがあります。

自分でレインズ(不動産流通標準情報システム)を見て物件提案をする前に、顧客から「この物件見れないですか?」とポータルサイトのURLだけが送られてくる。自分よりも顧客の方が市場の出物に詳しくなってるんじゃないか……。

 今まで、不動産仲介事業者の知識や情報量は圧倒的でした。しかし、顧客がスマホでさまざまな情報にアクセスできるようになり、顧客のほうが最新物件情報に詳しいということが起こっています。

 これで検討が早く進むと思いきや、情報がありすぎると人は迷う生き物。「もっといい物件があるのでは?」「まだ見つかってないデメリットが口コミで見つかるかも?」――こんな不安から検討期間が長くなっているのです。

 

 もともと、大半が即決しない売買プロセスの中で即決顧客の割合がどんどん減っている。このような顧客側の変化があります。

「すぐに決められない顧客」に不動産営業担当者はなぜ対応できない?

 顧客の変化を考えると、「メールなどを活用して検討顧客と長期的に接点を持てば(=ナーチャリングをすれば)良いのでは」と言われそうです。ただ、そんな単純な話ではありません。

 第1回「1,000名以上の不動産営業担当者と向き合って見えた 売買営業の難易度の高さとIT化への課題」でも記載したとおり、この業界の営業担当者は”忙しすぎる”のです。

 私も、激務な広告代理店で徹夜ラッシュをこなしていましたが、不動産売買仲介をやっていたときは「目の前の顧客に対応するだけ」で精一杯でした。目の前の顧客に対応して、さらにほかの顧客リストに0からコミュニケーションをとるのは、肉体的にも、精神的にも難しいのです。

 さらに業界の大半は歩合制です。アツい顧客を短期間でクロージングしなければ、給与の不安だって付き纏う。狩猟型の傾向が強く出るインセンティブ設計の中では、悠長に「ナーチャリング」だなんて言ってられません。

 顧客はすぐ決められない、しかし現場の営業担当者はそこに対応しきれない。このような状況を踏まえ、すぐには決まらない顧客に別途対応する必要が出てきました。ここだけを切り分けて効率よく担当するためにインサイドセールス立ち上げに取り組むようになったのです。

次のページ
成果向上のために変化が必要 不動産業界のインサイドセールスパターン

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この記事の著者

株式会社Housmart PropoCloud事業責任者 真鍋達哉(マナベタツヤ)

マーケティングコンサルティング企業の(株)オプトに新卒入社。大手アパレルECを中心に年間30億円以上のマーケティング費用を預かり成果創出に奔走。2017年にHousmart入社し、一貫して中古マンションアプリのマーケティングに従事。現在は不動産仲介会社向けの営業支援SaaS「プロポクラウド」の事業責...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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