SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

SalesZine Day(セールスジン・デイ)とは、テクノロジーで営業組織を支援するウェブマガジン「SalesZine」が主催するイベントです。 丸1日を通してSales Techのトレンドや最新事例を効率的に短時間で網羅する機会としていただければ幸いです。

  • 前回のSalesZine Dayのセッションの様子をレポート記事でお読みいただけます。

  • 過去開催時のイベントテーマをまとめてご覧いただけます。

直近開催のイベントはこちら!

企業の競争力を高める「営業DX」とは? 日本の営業組織の未来を探る powered by SalesZine

2024年4月18日(木)14:00~15:30

常に高い売上目標を達成し続けなければいけない営業組織。先行きの見通しが立たない時代においても成果を挙げるためには、過去の経験にとらわれず、柔軟に顧客や時代に合わせて変化し続けなければなりません。変化に必要なのは、継続的な学びであり、新たなテクノロジーや新たな営業の仕組みは営業組織の変化を助け、支えてくれるものであるはずです。SalesZine編集部が企画する講座を集めた「SalesZine Academy(セールスジン アカデミー)」は、新しい営業組織をつくり、けん引する人材を育てるお手伝いをします。

お申し込み受付中!

SalesZine ニュース

メルマガ送信率149%増加/営業メールへの返信率は24%低下[HubSpotグローバル調査]

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
  • hatena

 2020年7月29日、HubSpot Japanは世界のHubSpotユーザーのデータから読み解いた「COVID-19によるマーケティングおよび営業へのインパクト」と自社のビジネス戦略をオンラインにて発表した。

 HubSpotは世界7万社以上のユーザーデータを匿名化し2020年4月より毎週マイクロサイト上で発表してきた。2020年1~3月期(1/13週〜3/23週)をQ1、2020年4~6月期(3/30週〜6/22週)をQ2として週次データで比較し、同社が読みとった変化は以下の3つ。

  1. 買い手の情報収集と売り手の情報発信、両方がオンラインで活発化
  2. 買い手の新しい情報収集チャネル「チャット」が存在感を増している。
  3. 営業担当者の連絡手段が、電話からメールへ。取引(商談)の成約数は低下

 Q1と比較しQ2の企業ウェブサイトへのアクセスは世界で16%、日本では13%増加。さらに、マーケティングが配信するメルマガによるコミュニケーションも活発化している。グローバルでは送信率が21%増、開封率は9%増だ。さらに、日本のメール送信率は149%増と、増加率は世界最大となった。

 

 また、ビジネスチャットによる問い合わせのボリュームもグローバルで31%増えている。同社共同事業責任者 シニア マーケティング ディレクターの伊佐氏は「今後企業間でもリアルタイムかつ双方向性のあるコミュニケーションを実現できるツールの導入が世界的に進んでいくと考えています」と述べた。

 

 一方で、営業担当者から顧客へ送付するメールもグローバルで44%増加したが、返信率はなんと24%減。営業部門の取引成約も、4月に底値を記録し最終的には1Qと比較し11%減。マーケティングやチャットによる顧客のエンゲージメントは高まっているものの、営業活動によるエンゲージメントは一時的に下がったことがわかっている。

 

 「オンラインコミュニケーションが活性化することで、オンラインで見つけてもらったあとに、見込み客を適切にフォローする仕組みの構築が必要となります。マーケティングが有益な情報をメールで送り自社サービスや製品をよく理解してもらう。そして、適切なタイミングで営業がフォローアップできなければなりません。そのひとつの手段として企業サイトにチャットを導入したり、TwitterやFacebookなどのSNSの運営に力を入れたりするのも良いかもしれません」(伊佐氏)

 顧客とのエンゲージメントや取引数が減っている営業組織については、「営業コミュニケーションの質を今まで以上に高める必要があるでしょう」と伊佐氏。また、営業組織における影響のパターンは会社によってさまざまだ。見込み客が増えてフォローアップできる営業が足りていない企業は、まずは事務作業を減らし、営業1人ひとりの生産性を高めるテクノロジーの導入が必要かもしれない。もしくは、顧客のステージに合わせてコミュニケーションの大枠を設定し、営業活動の質を担保することから始める必要があるかもしれない。

 同社カスタマーサクセス サービス マネージャー豊倉氏より、まさに営業のコミュニケーション設計を見直したFlucle社の事例が紹介された。ウェブ完結型労務管理ツール「HRbase」を提供する同社では、コロナ禍でサービスサイトへのアクセスが急増した。既存の営業体制で適切なフォローが難しい状態となったため、あらためて理想の顧客ペルソナとバイヤージャーニーを全社で作り込んだ。

 

 そうすることで、見込み客がツール導入のステップやトライアル期間のどこで立ち止まり、困りやすいかを明らかにした。加えてその内容をHubSpotに連携したことで、営業担当者はHubSpot上から一辺倒ではない、顧客の困りごとに合わせたコミュニケーションを効率的に実施できるようになった。

 

 最後に、同社共同事業責任者 セールスディレクターの伊田氏が登壇。HubSpot現状と今後の戦略について述べた。

 

 HubSpotはグローバルでは年平均41%の成長を続けている。7月1日には時価総額が100憶ドル(日本円で約1兆円)を超えるなど、マーケットからの評価も高まっている。そして、本国である米国以外の成長も注目のポイントだ。

 2014年第3四半期は本国以外の売上は全体の22%。約8割が本国の売上だった。直近の2020年第1四半期は42%を本国以外が占めている。また、本国以外の成長率は年平均で51%。「いずれ本国の売上をそれ以外の市場の合計が超える可能性もある」と伊田氏は述べた。

 

 伊田氏は同社の成長のエンジンとなっているのは「製品のすべてにあるインバウンド思想」だと語る。

 「MAやCRMはものを売る側の考え方で設計されますが、HubSpotは逆です。ものを買う側が『欲しくなって買う過程』をスムーズにするためのツールです。購買者が知りたいときにブログを読み、資料をダウンロードできる。よく読んでいるから、メルマガが届く。必要な情報を適切な手段で見込み客に届けるのがHubSpotの設計です」(伊田氏)

 なお、インバウンドの語源には、創業の地・ボストンの地下鉄が関係しているという。ボストン市内から郊外へゆく路線が「アウトバウンド」、郊外から市内に入る路線が「インバウンド」と呼ばれていたことから、「顧客が惹きつけられる」ことを「インバウンド」と呼ぶ発想が生まれたそうだ。

 HubSpotは2006年の創業以来、スタートアップを中心にマーケティングソフトウェアを提供してきた。2014年以降は、セールスやサービスなどにスコープを広げながら単体のソフトウェアではなく、プラットフォーム、さらにはスイートへと変化してきた。

 

 スイートへの成長を遂げるなかで、日本でも幅広い規模の企業へ導入が進み始めている。なお、日本のユーザーのうち約4割が同社の複数製品を利用している。

 

 同社の販売戦略において重要なのが、導入から運用、コンテンツ作成などを支援するソリューションパートナーだ。グローバルでは41%がソリューションパートナー経由の販売であり、日本も近い数字だという。なお日本のソリューションパートナーは2019年6月期と比較し87%増加している。

 2020年上半期に同社がグローバル共通で実施したのは、「Marketing Hub Enterprise」の機能強化、ウェブサイト制作を支援するCMS Hubの提供、そしてABM機能の実装だ。日本市場独自の動きとして、クラウドIP電話「MiiTel」、会計ソフト「freee」、名刺管理システム「Sansan」、ABMツール「FORCAS」、企業データベース「ランドスケイプ」などとの連携が進んだ。

 

 今後は、日本独自のソフトウェア製品連携をさらに進めていくと伊田氏。加えて、販売パートナーの多様化も目指す。これまではコンテンツ制作などを実施できるマーケティングコンサル企業が中心だったが、セールスやサービスのソフトウェアも提供しているため、包括的な提案・支援が可能なビジネスコンサルやSI企業へと協業を広げていくという。ローカライゼーションも引き続き注力するポイントだ。製品自体を正しい日本語で表示することはもちろん、日本ユーザーにとって見やすいUIにこだわっていく。

 2016年立ち上げ時には10名ほどだった日本法人も現在は40名を超える組織へと成長したHubSpot。「今後も、幅広い規模の企業のセールス・マーケティング活動の支援を行いたい」と伊田氏は意気込みを語った。

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
  • hatena
関連リンク
この記事の著者

SalesZine編集部(セールスジンヘンシュウブ)

編集部です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
  • hatena
SalesZine(セールスジン)
https://saleszine.jp/news/detail/1731 2020/07/29 17:45

Special Contents

AD

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

SalesZine Day(セールスジン・デイ)とは、テクノロジーで営業組織を支援するウェブマガジン「SalesZine」が主催するイベントです。 丸1日を通してSales Techのトレンドや最新事例を効率的に短時間で網羅する機会としていただければ幸いです。

2024年4月18日(木)14:00~15:30

イベントカレンダーを見る

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング